ATARI ST(1985)
- 公開日: 2020/08/09
- 更新日: 2020/08/15
ハードウェア概要
コモドール社のAMIGAと共に80年代後半から90年代初頭を代表する16ビットホビーパソコン。AMIGAと同様モトローラMC68000 MPU[1]を使用している。特筆すべき点はすべてのモデルにMIDIを実装していたことであり、80年代後半から90年代前半における代表的なDTMマシンであった。特に日本国内ではもっぱらDTM用途に販売されており、「楽器店で買えるパソコン」として知られていた。
1983年にアタリはいわゆるアタリ・ショックによって経営危機に陥った。同時期にコモドールは内紛により創始者のジャック・トラミエルがエンジニアたちとともに離れ、最終的にはアタリを買収する。結果生まれたのがこのATARI STである。
コントローラ端子の特徴
以下の説明はChibiAlumasの68000 Assembly programming for the Atari STに基づく。本機はアタリ仕様のコントローラ端子を2つもっており[2]、ピンアウトは以下の通りである。
マイナーバージョンアップ版のATARI STEには、これに加えDサブDE-15端子(VGAモニタ端子と同じ)のジョイスティックポートを2つ持っている。
pin# |
Controller 0 |
Controller 1 |
---|---|---|
1 |
Digital in |
|
2 |
Digital in |
|
3 |
Digital in |
|
4 |
Digital in |
|
5 |
NC |
|
6 |
Digital in |
|
7 |
VCC |
|
8 |
GND |
|
9 |
Digital in (Same as pin6 of controller 1) |
NC |
ハードウェア実装
コントローラ端子はキーボードコントローラであるHD6301[3]を使って実装されている。6301を直接操作してコントローラ端子を読み出すことはできず、BIOSコールで読み出す必要がある。
モトローラの8ビットMPUである6800にI/O周りの周辺回路を内蔵させたMC6801の互換製品。
制御方法
各ピンの読出し方法は以下の手順で行う。
スタックに$0014, $0004, $0003を保存する。
trap #13を実行
スタックポインタを1.の開始前に戻す
スタックに$0034を保存する
trap #14を実行
スタックポインタを5.の開始前に戻す
レジスタd0で指定されるアドレスから1バイト先のアドレスにコントローラ端子0の入力値が、2バイト先のアドレスにコントローラ端子1の入力値が保存される。
データの内容は、ビット0~3がピン1~4に、ビット7がピン6に対応している。各ビットは1の時にピンはH、0の時にピンはLである。