DOSは何がいい?
- 公開日: 2009/02/22
MS-DOS
Microsoft社が開発、管理していたDOSです。メリットは(特に日本で)圧倒的な最大派閥であり、かつその機能の一部がWindows 95/98に継承されたため、無償/有償問わず、膨大な日本語のドキュメントがあることです。特に、市販のDOS解説書のほとんどがMS-DOSをターゲットにしています。また、メジャーであるがゆえに、ほぼ100%のゲームはDOS上で普通に動作します。
欠点は、既にディスコンであることと、入手が困難であることです。 PC/AT互換機用の日本語版MS-DOSのうち、マルチコンフィグに対応しているバージョン6は、OEM版とアップグレード版しか有りません。従って、OS無しのPCにライセンスをクリアした状態で入れるための手段は皆無と言っても過言ではありません。 (数年前のMSDNに配布されていたものを使用するか、より古いDOS(PC-DOSでも可?)からアップグレードするくらいかと) DOS付きの中古PCを購入するのが事実上唯一の手段でしょう。
Windows 95か98、98SEのリテール版を入手してそのDOS部分のみを使う、というのが最も簡単かつ確実な手法でしょう。
なお、Windows 9xはDOSと比べて、以下の点が異なります。
DOS shellがついてこない
マウスドライバがついてこない
defrag, sizer, share, tree, undeleteなどの幾つかの外部コマンドがない
つまり、Windows 9xはDOSのサブセットを含んでいると言えます。ゲーム用途に限定するならば、それなりにいい選択肢かもしれません。 DOSで日本語の入力を行うのであれば、MS-IMEがついてくる分有用でしょう。
PC-DOS
IBM社によって開発、保守されているDOSです。かつてはDOSといえばこちらを指しました。以前はMS社が開発していたのですが、バージョン4のあたりからIBMとMSとの仲が険悪となったため、現在ではIBMが開発しています。最終バージョンは2000です。つい最近までIBM社の通販で購入できたのですが、今はできないようです。
MS-DOS同様、メジャーなDOSなので、MS-DOS同様、これに対応していないゲームはまず有りません。日本語入力環境や、プログラミング言語REXX等もきちんとついてきます。価格が高いのが難点ですが。
DR-DOS
Digital Resaerch社によって開発されたDOSクローンです。現在はDRDOS社によって保守されており、安定版の7.03が同社のサイトからダウンロード販売されています(1ライセンス35ドル)。かつて、Lineo社が保守していた頃(2003年中途まで)は、個人での非商用利用に限って無償で使用可能だったのですが、現在、そのような記載はDRDOS社のサイトには記載されていません。「個人での非商用利用に限って無償で使用可能」との条件はまだ有効であると主張して、ダウンロード可能なイメージを置いてあるファンサイトもいくつかあるのですが、正直グレーゾーンであると思います。
日本語化されていないので、フリーのドライバやフォントをかき集めて日本語化する必要があります。前者2つよりはマイナーですが、いちおう80年代からあるDOSなので、それなりにゲームソフト側も対処しているでしょう。なお、一時期Novell社が権利を所有していたためか、Netwareクライアントが標準でついてきます。
FreeDOS
最近、がぜん注目を集めているDOSクローンです。 GPLに基づいて配布されているため、商用・非商用問わずに安心して使えるのが特徴です。 FreeDOSの公式サイト(http://www.freedos.org)からダウンロードして使えます。日本語化は、DR-DOSと同様の手法で可能です。
FreeDOSは、どちらかというと組み込み用途に注力している感があり、ゲームの動作、という点では今ひとつです。特にUltima VIIIが動作しないのが痛い。また、CD-ROM周りの実装にやや難があり、?となることも。あと、なぜかゲームのインストーラが設定ファイルをフロッピーに保存しようとしたり・・・
他にも、PTS-DOSというロシア産のDOSクローンも有りますが、日本語化に当たってやや問題が有るとのことのなので、ここでは取り上げません。
どれがいいか
互換性とIMEを重視するならMS-DOS。一通りのドライバやツールがそろったパッケージをより安く入手したければDR-DOS、多少コストがかかってもよいからフルパッケージ・日本語化・IME付きの環境を手間をかけずに構築したければPC-DOS、かと思います。FreeDOSは、ゲーム用としてはあまりお勧めできません。