東芝 パソピア(1983)
- 公開日: 2020/08/10
- 更新日: 2020/08/10
ハードウェア概要
パソピアは1981年に東芝から発売されたZ80ベースのパソコン。1983年に登場した性能強化版のパソピア7は、27色同時発色[1]、6chシンセサイザーとライバル機種と比べて高性能な機種であったが、売れ行きはいま一つだったとされる。
コントローラ端子はパソピア7登場時に拡張カートリッジ[2]の形で提供された。BASICでのサポートはパソピア7のみであるが、カートリッジの規格はパソピア、パソピア7共通であり、パソピアでもジョイスティックを利用可能である。
コントローラ端子の特徴
本カートリッジはコントローラ端子を2つもっている。パソピアにおいて特徴的なのは、当機は拡張カートリッジスロットを最大7つまで拡張可能であり、そのすべてにジョイスティックアダプタを取り付ければコントローラ端子を14まで増やすことが可能である[3]。
広告でもジョイスティックを14つなげることができると宣伝されていた。
ピンアウトは以下の通りであり、PC-6001の端子を入力専用にしたような構成となっている。
pin# |
Function |
---|---|
1 |
Digital in |
2 |
Digital in |
3 |
Digital in |
4 |
Digital in |
5 |
VCC |
6 |
Digital in |
7 |
Digital in |
8 |
GND |
9 |
GND |
ハードウェア実装
実際にカートリッジを入手した上で分解し、結線を確認した。その回路図を以下に示す。
端子の制御には8255が利用されている。端子1のピン1~4、6、7は8255のPB0~PB5に、端子2のピン1~4、6、7は8255のPC0~PC5に、それぞれプルアップ回路を介して接続されている。また、基板上には16ピンのICを実装するためのスペースがあり、8255のPA0~PA5、PA7はこのスペース(ICのピン)につながっている。
パソピアのブログ勝つ快感。の著者であるzak氏よりTwitterにて教えていただいたが、ジャンパ線を削除して代わりに74LS367を載せるとPC-6001相当になるとのこと。
制御方法
コントローラの読み取り方法は以下の通りである。
I/Oアドレス$1BにてスロットID(1~7)を指定する。本体内蔵のスロットであれば1である
I/Oアドレス$19にて端子1の、$1Aにて端子2の入力値を得る。ビット0~5がそれぞれピン1~4,6,7に対応している。なお、H=1、L=0である。[4]
勝つ快感。の「Joystickアダプタ」より
ICを追加してPC-6001相当にした場合は、PA0~5、7と両端子のピンとの関係は以下の通りとなる。おそらくPA0はI/Oアドレス$18に書き込むことで信号が出力される。ジョイスティックを接続する際は接続する端子に対応したPA4又はPA5をLにする[5]と共に、PA7をHにしてPA0〜3を回路から切り離す。
8255 Pin# |
Function |
---|---|
PA0 |
Controller 1 Pin6 |
PA1 |
Controller 1 Pin7 |
PA2 |
Controller 2 Pin6 |
PA3 |
Controller 2 Pin7 |
PA4 |
Controller 1 Pin8 |
PA5 |
Controller 2 Pin8 |
PA7 |
Disconnect PA0~3 when PA7=H |
多くのジョイスティックはピン8をコモン端子にしており、この端子がLになっていないとコモン端子として機能しない。