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原型ゲーム「Special Eneuiry Detail」

概要

Homicide Squadには原型となるアドベンチャーゲームがある。それがこの"Special Enquiry Detail"だ。Homicide Squadと同様、ニューヨークの特捜部を舞台とし、ラモンテ、トゥリノの男女刑事コンビを主人公とする。鑑識も東アジア系のウィル・シェンであり、名前こそ違うが主人公の上司もアフリカ系の女性だ。

第1作"Special Enquiry Detail: The Hand that Feeds"(邦題「特別捜査指令:恩人」)は2011年7月14日にiPhone/iPad用ゲームとしてリリースされ、同年9月28日にAndroidに移植されている。続編"Special Enquiry Detail: Engaged to Kill"(邦題「Special Enquiry Detail:殺しの婚約」)は2013年6月頃にiPhone/iPad用としてリリースされている。

2021年には"Unexposed"という名称でこの2作を含む過去6作がWindowsに移植された。Microsoft Storeからインストールできたが、残念ながら現在ではダウンロード不可となっている。以下の説明はこのUnexposed版のものであり、オリジナル版とは細部が異なる可能性がある。

ちなみに、Homicide Squadは2015年12月30日のリリース(iPad版)以来、2017年1月13日に改題されるまでは「S.E.D. Special Enquiry Detail」という名称だった。

ゲームシステム

ゲームシステムは基本的に一本道のシナリオを、「アイテム探し」「ミニゲーム」「会話シーン」をクリアしていくことで進めるものである。取得したアイテムを使用してゲームを進めていく、普通のアドベンチャーゲームっぽい要素もある。アイテム探しは下の画像のように、画面中に散らばって配置されたアイテムの中から、画面下で指示されたものをクリックで選択していく、というものである。Homicide Squadとは異なり、クリックすべきアイテムは常に12種類であり全てが画面上に表示される。同じ名前のアイテムが複数指示される場合もあり、その場合はアイテム名の隣に(2)のような残り個数が表示される。古いゲームなので解像度が低くアイテムが分かりづらい部分もあるが、Homicide Squadとは違い時間制限は無く、またミスクリックを繰り返してもペナルティは発生しないのでのんびりプレイできる。また、エネルギー(後述)を消費するがヒント機能もある。

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また、ミニゲームは絵合わせパズルや破れたメモの修復などの様々なパズルであり、アイテム探しと共にストーリー進行を妨害する。ミニゲームは開始から一定時間経つとスキップが可能となっている。"The Hand that Feeds"には一か所、ミニゲームを正しくクリアできない箇所があるのでここのみはスキップしなければならない。

プレイヤーには「エネルギー」というパラメータが設定されており、アイテム探しで正しいアイテムをクリックするたびに減少していき、エネルギーがこの減少量未満となるとプレイは続けられなくなる(アイテム探しパズルの途中でもゲームを中断セーブさせることが可能)。エネルギーは300までは自動回復する(1日で回復するようだ)ほか、食事でも回復する。食事はデイリーボーナスでもらえる+20のものの他、課金で購入できるものがある(インストールできなくなった今は購入できるかわからないが)。つまり無料で1日にプレイできる量はエネルギー320ぶんに限られる。これはだいたいアイテム探しパズル4回分程度であり、毎日プレイしてもクリアには2週間程度かかるようになっている。

ゲームにはアチーブメントが設定されており、パズルを解いてゲームを進行させる他、「アイテム探しパズルで5秒以内に2つのアイテムを見つける」などの条件達成によりアチーブメントがカウントアップされるようになっている。ゲームはクリアすればまた最初からプレーできるのでアチーブメントを上げるために何度もがんばろう。ただし"The Hand that Feeds"ではオリジナル版からミニゲームが1つ省略されているため満点をとることができない。

ちなみに、正しい手順でゲームを終了させないとゲーム起動不可になってしまうことがあり、その場合はストアアプリの設定でゲームを初期状態に戻さなければならない(当然ゲームは最初からやり直しとなる)ので注意が必要だ。アチーブメントはUnexposed全体で管理しているらしくリセットされることはない。2作目の「Engaged to Kill」に至っては、Windows11環境ではゲームを一度終了させると起動できなくなるようだ。なのでゲームを開きっぱなしにしておくしかなさそうだ。

登場人物

ブロディ・ラモンテ(Brody Lamonte)
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主人公その1。特捜部の男性刑事。白人。翻訳のせいかニヒリストっぽい印象。Brodyは翻訳によっては「ブロージ」となる場合も。

キャシー・トゥーリノ(Cathy Turino)
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主人公その2。特捜部の女性刑事。白人。Homicide Squadのトゥリノ刑事とつづりは同じだがこちらは日本語版では「トゥーリノ」と長音符が入る。Homicide版よりもガタイが良く、また武道の有段者という設定もあり、言動も荒々しい。

ウィル・シェン
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東アジア系の鑑識スタッフ。Homicide Squad初期のシェンに近い、風采の上がらなそうなおっさんである。ラモンテ達とはThe Hand that Feeds」で初顔合わせ。状況によっては彼もプレイヤーキャラクターとなる。2作目の「Engaged to Kill」では割とひどい目に合う。

イライシャ・バンス(Elisha Vance)
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アフリカ系女性の警部。ラモンテ、トゥリノの上司である(シェンの上司ではなさそう)。Homicide Squadのモリス警部と比べるとキツ目で厳しそうな上司キャラ。

ストーリー

The Hand that Feeds

ニューヨーク市警に新たに編成された特捜部。スタッフはヴァンス警部、ラモンテ、トゥーリノの3名のみだ。特捜部は市長や市警長官の依頼により、やっかいな事件を秘密裏に捜査することだ。彼らの最初の事件は市長の友人でもある篤志家のフェルプス夫妻の一人娘、高校生のカモーディが一人暮らしのアパートで殺された事件だ。

Engaged to Kill

ニューヨーク商工会議所の所長であるアーロン・テンプルトンの妹、ファッションモデルのマーシーが誘拐された。彼女はフランス人との結婚を控えていた。特捜部は彼女の捜索を依頼される。しかしこの事件は「結婚直前の花嫁を狙った連続殺人事件」の入口であった…

Unexposedに含まれるその他のゲーム

Paranormal Agency: ウエイン屋敷の亡霊(Paranormal Agency: The Ghosts of Wayne Mansion)

2014年4月頃、iOS用としてリリース。翌2015年4月頃にAndroid版リリース。Paranormal Agencyシリーズの2作目のようだ。時代は現代のアメリカ、オカルト研究組織Paranormal Agencyの構成員である主人公(おそらく女性)が、アメリカの田舎町の屋敷の幽霊事件を解決に導く。

The Ghost Archive: シェイディー・バレーのたたり(The Ghost Archive: Haunting of Shady Valley)

2014年5月頃、iOS用としてリリース。S.O.U.L.という組織の構成員である主人公(おそらく女性)が、50年前に事件のあった廃村を訪れ、何人もの調査員が消息を絶ったオカルト事件に挑む。

Game of Dragons

2015年9月頃リリース。孤児である主人公グローリー・リンドがある日仕事から帰ると自宅が破壊されていた。実はグローリーは魔法のある異世界ニューテラの王女だった。グローリーは否応なしに王家の相続争いに巻き込まれていく。途中の選択により3つのエンディングに分岐する。

Deep Town: ツインキャンドル(Deep Town: The Twin Candles)

2016年5月頃、iOS用としてリリース。20世紀初頭、ジャーナリストである主人公は海底2000メートルにある水中都市ディープタウンに招待された。しかし事故でディープタウンから出られなくなってしまう。主人公はディープタウンで出会った双子の少女と共にディープタウンの謎に迫る。最終シーンの選択により3つのエンディングに分岐する。


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