ATARI 7800(1984)
- 公開日: 2020/07/24
- 更新日: 2020/08/05
ハードウェア概要
ATARI 7800は、1984年に登場したビデオゲームコンソールである。商業的に失敗したATARI 5200の反省からか、ATARI 2600との高い互換性を有していた。NES[1] の牙城を崩すには至らなかったが、2600と同様、今なおホビイスト達によるゲーム開発が盛んに行われている。
ちなみに、周辺機器としてトラックボールやキーボードなども予定されていたが、ジャック・トラミエル[2]の社長就任に伴いキャンセルされた。キーボードは、ATARI MUSEUMにある資料によれば3ビットのパラレル通信[3]でRS-232Cやデータレコーダ端子も備えた高機能なものだったようだ。
コントローラ端子の特徴
本機はコントローラ端子を2つ備えている。ピンアウトは以下の通り。
pin# |
Function |
---|---|
1 |
Digital in / Digital out |
2 |
Digital in / Digital out |
3 |
Digital in / Digital out |
4 |
Digital in / Digital out |
5 |
Digital in / Analog in |
6 |
Digital in / VCC |
7 |
VCC |
8 |
GND |
9 |
Digital in / Analog in |
ほぼATARI 2600と同じだが、ピン6にVCCを割り当てることができるようになっている点が異なる。この特徴により、1ボタンジョイスティックと上位互換の2ボタンのジョイスティックを実現している。
ハードウェア実装
下図は、AtariAgeに記載のATARI 7800(NTSC版)の回路図からピン5、6、8、9回りを抜粋したものである。他のピンについてはATARI 2600と同様であるため、そちらを参照のこと。
ピン6にVCCを供給するかどうかは、PIA(MOS6532)のポートPB2出力(左コントローラ)、PB4出力(右コントローラ)、TIAEN信号出力(後述)によって決まる。すなわち、TIAEN信号をHレベルにした上で、PB2出力をHレベルにすると左コントローラの6にVCCが供給され、PB4出力をHレベルにすると右コントローラの6にVCCが供給される。
制御方法
7800 Software Guideによれば、ピン6へVCCを出力するには以下の手順で行う。
コントロールレジスタ($000から$01Fまでの任意のアドレス)のビット3に0を書き込む。これにより、ATARI 7800のグラフィックコントローラであるMARIAが有効になると共に、TIAEN信号出力がHレベルとなる。
アドレス$283(CTLSWB)のビット2(左コントローラ)又はビット4(右コントローラ)に1を書き込む。
アドレス$282(SWCHB)のビット2(左コントローラ)又はビット4(右コントローラ)に1を書き込む。この時点でピン6にVCCが出力されるるようになる。
PIAのIOポートPBを読み取りできるように[4]、アドレス$283(CTLSWB)のビット2(左コントローラ)及びビット4(右コントローラ)に0を書き込む。
IOポートPBの読み出しは本体についているスイッチ類に対応している。