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セガ メガアンサー

概要

メガアンサーはメガドライブ用のモデム(メガモデム)とテンキーパッド、カートリッジ、プリンタ(オプション)のセットで、メガドライブを使って電話回線で銀行のサーバに接続し、口座の各種操作を行う、一種のネットバンキングシステムである[1]。テンキーパッドは端子1、プリンタを端子2、メガモデムはExt端子に接続する。

本項ではテンキーパッドとプリンタについて説明する(メガモデムはコントローラ端子とはオスメス逆のExt端子に接続するもので「アタリ仕様」には該当しないため)。なお、アルファベット表記は「Mega Anser」である(Answerではない)。

テンキーパッド

テンキーパッドの回路図およびピンアウトを以下に示す。使用するICはセレクタICの74HC257[2]と、シリアル入力型ラインデコーダのHC4017[3]

/static/images/atari/megaanser.png

pin#

function

1

DATA 1 (in)

2

DATA 2 (in)

3

DATA 3 (in)

4

DATA 4 (in)

5

VCC

6

N/A(GND)

7

ENABLE/RESET (out)

8

GND

9

SELECT/CLOCK (out)

読み取りは以下の手順となる。

  1. ピン1~4を入力、ピン7、9を出力に設定する

  2. ピン7をH、ピン9をHにする

  3. ピン1~4を読み取る

  4. ピン9をLにする

  5. ピン1~4を読み取る

  6. ピン7をLにする

  7. ピン9をHにする

  8. ピン1~4を読み取る

  9. ピン9をLにする

  10. ピン1~4を読み取る

  11. 7~10を8回繰り返し、計80ビットのデータを得る

得られたデータとキーの対応は以下の通り

  • 2回目の読み取り: ピン3→キャンセル、ピン4→削除

  • 6回目の読み取り: ピン2→カナ漢字、ピン4→前頁

  • 8回目の読み取り: ピン1→通信終了、ピン3→漢字変換、ピン4→実行

  • 9回目の読み取り: ピン1→0、ピン2→1、ピン3→2、ピン4→3

  • 10回目の読み取り: ピン1→4、ピン2→5、ピン3→6、ピン4→7

  • 11回目の読み取り: ピン1→8、ピン2→9

  • 12回目の読み取り: ピン4→#

  • 13回目の読み取り: ピン1→*、ピン4→次頁

  • 15回目の読み取り: ピン2→右、ピン3→上

  • 19回目の読み取り: ピン1→左

  • 20回目の読み取り: ピン2→下

プルダウン回路であるため、ボタンが押されている時に対応するピンがHとなる。

プリンタ

プリンタはアダプタ部とプリンタ本体から構成されている。アダプタはコントローラ端子からの信号をセントロニクスインターフェースに変換するものである。プリンタの制御方法はPlutiedev に詳説されている。私が理解した範囲での制御手順を以下に概説する。

  1. 端子2のピン7を出力に、それ以外を入力に設定する

  2. ピン7にHを出力

  3. ピン1~4を読み取る(H=1、L=0として。以下同じ)

  4. ピン3と4のORをIDビット3、ピン1と2のORをIDビット2とする

  5. ピン7にLを出力

  6. ピン1~4を読み取る

  7. ピン3と4のORをIDビット1、ピン1と2のORをIDビット0とする

  8. 4.と7.で得たIDビットが%1010であればプリンタが接続されている

  9. 端子2のピン1~3を出力に、それ以外を入力に設定する

  10. 端子2のピン1~3にHを出力する

  11. ピン4がLになるまで待機

  12. ピン3:H、ピン2:Lでピン1でデータを送信する

  13. 12と同じデータをピン3:H、ピン2:Hで送信する

  14. 12.~13.を7回繰り返す。これによって8ビットのデータがセントロニクス端子から出力される。なお、最初に送信したビットが上位ビットとなる。

メガアンサーのソフトにおいて出力されているのはESC/Pプロトコルとのことである。


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