ハードウェア概要
1986年に発売されたシンセサイザーキーボード付きサンプラー。フロッピーディスクドライブを内蔵しており、またモニタやマウス、タブレット等を接続可能である。フロッピーからソフトを起動して、モニタに表示される情報を確認しながら各種作業を行うことが可能である。
その後キーボードを省略したラックマウント型サンプラーであるS-550やその廉価版のS-330、S-550の後継機であるS-770、S-750、S-760が発売されている。
コントローラ端子の特徴
本機及び後継機にはEXT CTRL端子が設けられており1、各種機器を接続可能である。また、この端子に接続可能なリモート・コントーラーRC-100(キーパッドとダイヤルを備えた操作パネル)にも同様のコネクタが設けられており、ここにマウス等を接続可能である。EXT CTRL端子に接続可能なローランド純正機器は以下の通りである。
- 1
S-760のみオプションのパワー・サンプリング・エクスパンションOP-760-1を取り付ける必要がある。
- 2
LLAMAMUSIC.COMの記載によれば、S-50についてはRC-100経由でのみサポート。また、MSXマウスと同等品である。
- 3
MSX Wikiによれば、PC-6051や各種MSX対応タブレットと同等品とのこと。また、LLAMAMUSIC.COMの記載によれば、S-550/S330ではRC-100経由のみサポート。
- 4
SYS-553はS-550用の、SYS-333はS-330用のシーケンサーソフト。一部機能を使う場合はオーナーズ・キーをEXT CTRL端子に差し込んでおく必要がある。
S-50のSERVICE NOTESによれば、このEXT CTRL端子はPC-6001やMSXなどと同じ仕様であり、ピンアウトは以下の通りである。RC-100のEXT CTRL端子については詳細は不明5だが、マウスとタブレットを接続可能なことから少なくとも同等であると思われる。
- 5
RC-100のSERVICE NOTESによれば、CPUであるMSM80C31RSのI/Oポート端子にプルアップ回路を介してピン1〜4、6〜8の全てが接続されており全ピンが入出力可能である。ただしI/Oポート端子の制御はおそらくROM内のプログラムによって行われる為、このプログラムがピン1〜4の出力端子化やピン8の入力端子化に対応していなければ本体のEXT CTRL端子相当である。
pin# |
Function |
---|---|
1 |
Digital in (MX0) |
2 |
Digital in (MX1) |
3 |
Digital in (MX2) |
4 |
Digital in (MX3) |
5 |
VCC |
6 |
Digital in / Digital out (MX4) |
7 |
Digital in / Digital out (MX5) |
8 |
Digital out (MX6) |
9 |
GND |
ハードウェア実装
上記S-50のSERVICE NOTESによれば、本機のEXT CTRL端子はI/OゲートアレイであるμPD65006-017によって制御される。I/Oアドレス等については不明。RC-100は以下のピンアウトの通り本体とシリアル通信を行っており、シリアル通信でRC-100のCPUにコマンドを送ることでRC-100のEXT CTRL端子への入出力を行う。
pin# |
Function |
---|---|
1 |
Data from RC-100 (MX0, in) |
2 |
ATN (MX1, in) |
3 |
NOT USED |
4 |
NOT USED |
5 |
VCC |
6 |
CLK 1 (MX4, out) |
7 |
CLK 2 (MX5, out) |
8 |
Data to RC-100 (MX6, out) |
9 |
GND |