シャープ MZ-2500(1985)
- 公開日: 2020/09/19
ハードウェア概要
1985年にシャープから発売されたZ80ベースのパソコンである。スイッチ切り替えによってMZ-80B、MZ-2000/2200双方のソフトが動作し両機種の豊富なソフトウェア資産が活用できると共に、FM音源(YM2203)やPCG[1]、320x200,256色などAV機能の強化もなされている。また、CPUも6MHzのZ80Bとなり他のZ80ベースのパソコンよりも高速だった。
派生機として廉価版のMZ-2520[2]や16ビットモードを追加したMZ-2861[3]があり、どちらも本機と同様のジョイスティックポートを備えている。
MZ-80BやMZ-2000/2200との互換機能は削除されている。また、内蔵データレコーダもなくなっている。
追加されたCPUは80286であり、PC-9801のエミュレータが同梱されたことが話題となった。MZ-2520と同様、内蔵データレコーダもなくMZ-80BやMZ-2000/2200との互換機能は削除されている
コントローラ端子の特徴
本機はコントローラ端子を2つもっている。ピンアウトは以下の通りである。
pin# |
Function |
---|---|
1 |
Digital in |
2 |
Digital in |
3 |
Digital in |
4 |
Digital in |
5 |
VCC |
6 |
Digital in / Digital out |
7 |
Digital in / Digital out |
8 |
Digital out |
9 |
GND |
基本的にはPC-6001やMSX等と同様であり、ピン8をコモン端子とする一般的なMSXジョイスティックを使用する場合はピン8をLに指定する必要がある。
ハードウェア実装
ヤマハYM2203を使用している機種としては例外的に、本機のジョイスティック端子はYM2203のI/Oポート[4]を利用せずに実装されている。ちなみにYM2203のI/OポートはRS-232C端子等に利用されている。
YM2203は下位互換のPSGコントローラAY-3-8910と同様8ビットI/Oポートを2系統備えている。詳細はPSG音源の利用を参照。
「MZ-2500テクニカル・マニュアル」(工学社)によれば、ジョイスティック端子はI/OコントロールLSIであるSC-61K228F、バッファICの74LS257、フリップフロップICの74LS273を使って実装されている。同書p149に記載の回路図を以下に示すが、この回路図はSC-61K228Fを使わずに実装されているものらしく、NightfallCrew.comに記載の実機のジョイスティック端子基板の写真と比較すると、回路図にあるIC8(LS30)が写真では実装されていないことが分かる。
大 深 海 水 淵 亭の「MZ-2500 I/Oマップ」によれば、ジョイスティック端子はI/Oアドレス$EFを用いて以下の通り制御される。各ピンの入出力ともに0=L、1=Hである。
R/W |
Bit7 |
Bit6 |
Bit5 |
Bit4 |
Bit3 |
Bit2 |
Bit1 |
Bit0 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Read |
Not Used |
pin7 |
pin6 |
pin4 |
pin3 |
pin2 |
pin1 |
|
Write |
Not Used |
Select (0=port1, 1=port2) |
port2 pin8 |
port1 pin8 |
port2 pin7 |
port1 pin7 |
port2 pin6 |
port1 pin6 |