サンフレッチェらによるスタジアム案・感想その2
- 公開日: 2013/06/11(火) 07:31[JST]
シンポジウムを見た高槻熊さん(リンク切れ URL: http://ameblo.jp/esora0714/entry-11539028104.html)とふがじんさんのブログにシンポジウムのスライドが載っていたのでそれを見た感想を。
結論から言っちゃうとあの案はやっぱりありえない。多分クラブもそのことは理解してて、行政と協議する時はより現実的な案を出してくるんじゃないかな、とは思うけど。
まず、武道場の上に北側のゴール裏スタンドが乗っているけど、武道場は解体する、ということだろうか。県立総合体育館のサイトにある図面に書いてあるとおり、武道場は地下で北側の体育館2つと一体になってるので、武道場を解体するというのは非合理的であると思う。武道場を解体すること無くスタンド(シンポジウムのスライド見る限りでは諸室込み)を作る、というのも不可能では無いだろうけど(札幌ドームみたいな例もあるし)、コストが高くつきそう。また、よしんば技術的に可能だったとしても、スタンドの下に武道場が来るレイアウトだと、武道場を自由に改装できなくなる(当然、施設としての寿命は20年近く前に出来た武道場の方が先に来るわけで)ので、県としても同意出来かねるのではないだろうか。
次。スタジアムは市民球場のみならずハノーバー庭園、青少年センター、PL教会、護国神社駐車場といった周辺施設の土地にはみ出して建っている(商工会議所ビルを残した絵もふがじんさんのところに載っているが、その案でもスタジアムは青少年センター、PL教会、護国神社駐車場にはみ出している)。一応複合スタジアム、というふれこみで「フリースペース」が設定されているけどスライドを見る限りでは4000平方メートルいくかどうかくらいじゃないだろうか。青少年センターの延床面積(ソース元リンク切れ URL: http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1110948522426/files/genkyohikaku18.pdf)が7592平方メートルということなので、やっぱり足りない。「市中心部に移転しないと経営上厳しい(赤字が3年続くとJFL降格もあるみたいだし)し、中央公園ありにすると土壇場で住民の反対で反故になりかねないから市民球場跡地で」というクラブの考えも理解できるけど「周辺施設を潰して建てるほどの集客効果が期待できるのか」というとちょっとない。(6/15追記)ちなみに青少年センターの平成23年度の利用者数は24万人弱(ソース元リンク切れ URL: http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1348449704485/activesqr/common/other/505fb6c6002.pdf)。30才未満の利用は無償、というのもあるだろうが何気に多くてびっくりした。これをつぶすのはやはりちともったいない。(追記終わり)
もう一つ。市民球場跡地は25メートルの高さ制限がある(南側は20メートルだが、クラブのスタジアム案ではスタジアム全体を北にシフトさせて回避している)ので、スタジアム案でも高さは25メートルに抑えているはず。でも25メートルって、新しめのスタジアムだと15000人~20000人級のスタジアムの高さだ。前も書いたけど長野のスタジアム案が15000人収容で25.5メートル、18000人収容のフクダ電子アリーナが25メートル(ソース元リンク切れ URL: http://www.iwasaki.co.jp/product/lighting_field/sports/example01.html) 。ユアスタやベアスタ、レベスタはもっと高い(てか北九州はいい資料出してるなぁ)。高さ25メートルの掘り下げなしで3万人、というのは観戦性を大きく損なうことになりはしないだろうか(傾斜が緩すぎる、死角が大きい、座席や通路が狭い、など)。当面をしのぐだけのスタジアム、ということならそれでもいいだろうけど、少なくとも30年使うつもりで建てるのなら別のところにしたほうがいいと思う。
じゃあどうすればいいの?、ということになるんだけど、手前味噌で恐縮だが以前考えた20000~25000人級の「アマ球技にも使いやすい球技場」というのがちょうどいい落としどころかな、と自画自賛してみる。この規模でもクラブは当面の経営難をしのぐことはできるだろうし、ここでキャパが足りない、という事態になれば(早ければ10年ほどでそういう状態になっても不思議ではない)改めて宇品に移転すればOK(25000人級を連日満員御礼できるくらいにまでクラブが成長すれば宇品でも十分集客できるだろうし、集客しずらい平日のカードのみ跡地で行うようにしてもよいだろう。てか宇品まわりは広い道路が多いので広電宇品線のLRT化とかやれば普通にいい立地だと思う。今のクラブだと厳しいかと思うけど)。ハノーバー庭園の土地がまるまる空いているので市が望んでいる文化・芸術系施設も確保できるし、スタジアムの費用負担に目処がつけさえすればいけるんじゃないかと。
スタジアムの費用負担だけど、サッカースタジアム検討協議会によれば、シャトルバスや無料駐車場の負担で入場料収入の半分ほどが飛ぶ(しかし入場料平均が1600円は安すぎる)とのこと。Jリーグの資料で(立地に恵まれている)仙台辺りと比較すると、そういった負担で3億近く使っているように思える。なら、市民球場跡地に移転すれば(集客数、客単価ともに上げられるから)使用料3億(国有地地代含む)でもペイするね(ニッコリ)。15年利用するなら30億ほど確保できそう。で、行政負担35億(アマ競技場としての価値、Jリーグによる周辺地域への集客効果、イベント広場の付属品としての価値あたりを考えるとこれぐらいが妥当な気がする)、都市公園法の補助金で5億、後はスポンサー様からの寄付と募金で計70億+α。ベアスタレベルなら何とかなるんじゃないかと思った。
あと、商工会議所ビル、護国神社駐車場、PL教会も将来的には移転するだろうけど、ここ、中央図書館がくるんじゃないかと妄想している。