新球場三題
- 公開日: 2007/07/11(水) 07:29[JST]
- 更新日: 2022/03/30(水) 20:21[JST]
1. 平野市議のサイト更新(7/10)
(No.212) 平成19年7月10日『新球場建設に係る官製談合の疑惑(その4)』。
NBBJとNadelの間にTurner + Meis Associtesが入っていないとか、ミース氏が顧問になったのはNadelの方でRCLCoじゃないとか、細かいツッコミどころはありますが、まずはこれ。
しかし、広島市や日本国の公共工事入札に関する規定では各自治体の民間業者職種別の登録当業者でないと選考基準からはずされることが想定されます。例えば、コンペの選考委員会で当選作品として選定しても、登録のない外国企業を当選作品としなければならないと仮定すれば、広島市の登録企業を表面に出さなくてはならないことになります。行政にとって一番都合のいい企業が環境デザイン研究所であったのではないでしょうか。
応募要項の「設計予定者は、新球場及び計画敷地内外構の基本設計及び実施設計の業務の委託契約手続の開始の時までに、広島市契約規則第3条第2項に規定する資格の認定を受けてください。認定に当たっては、一級建築士事務所登録を受けていることなどの要件を満たすことが必要ですが、設計予定者が外国からの応募者で、当該資格の認定を受けていない場合などは、求めに応じて、事務局は必要な情報等を提供します。」って部分でしょうな。
で、契約規則をみると、
第3条 市長は,前条に定めるもののほか,必要があるときは,一般競争入札に参加する者に必要な資格として,あらかじめ,契約の種類及び金額に応じ,工事,製造又は販売等の実績,従業員の数,資本の額その他の経営の規模及び状況を要件とする資格を定めるものとする。
2 市長は,前項の規定により資格を定めた場合においては,その定めるところにより,定期又は随時に,一般競争入札に参加しようとする者の申請をまつて,その者が当該資格を有するかどうかを審査するものとする。
となっており、Nadelは資格を満たしている様な気がするのですが。ま、一級建築士登録事務所が監理するのが無難ではありますが。(さいたまスーパーアリーナのときも表に出ているのは日建設計ですしね)
そもそも、ミース氏が噛んでたのって、屋根とスロープだけっぽいし、環境デザイン研究所が主でNadelが従なわけで、環境デザイン研究所が表に出てくるのは別に不思議じゃないとは思いますが。
市長として、NBBJ、NADEL、ダン・ミース氏と環境デザイン研究所、日建設計(東京本社)との相互関係を市民に説明してほしいものですし、施工方式が日本では特殊なプレキャスト方式、特殊工法です。どこでも出来るコンクリート二次製品ではありません。注意深く、慎重な説明がほしいものです。
別に市長が説明する必要は無いかと思いますが、このあたり、特に2005年の流れは知りたいですね。特に「どんな経緯で『鹿島+カープ』の本命案にNadelと環境デザイン研究所が加わったのか」という部分。平野氏も、叩いても何も出てきそうに無いNadelのホームページなんかにこだわるくらいなら、カープや環境デザイン研究所、日建設計に問い合わせてみればいいと思うのですが。
あと、プレキャスト工法は別に特殊な工法じゃなく、大手・準大手ゼネコンは普通に使っている技術だと思うのですが。宮崎サンマリンですら使ってますし。
時間が無いので残り二題は後ほど
更新しました(7/12)
2. ダン・ミースは実はエンティアムに参加していなかったのでは
ミース氏がエンティアムに参加していた、というのは佐々木壽吉市議の議会での発言が元になっていたわけですが、はたして本当なのか、佐々木市議の思い違いがあったのではないか、と言う話。
と、いうのも、エンティアム案にはミース氏特有のデザインコンセプトがみえず、むしろ施工担当の鹿島のカラーが出ているように見えるからです。そして、三菱案をみなおすと、むしろこっちにミース氏が参加していた、と仮定したほうが収まりがよい、と思えてきたからです。以下、根拠を列挙します。
三菱案の主要メンバーである三菱重工も日建設計もかつてミース氏と組んで仕事をしたことがある(さいたまスーパーアリーナ)。
特に三菱重工はミルウォーキーの新球場(ミラーパーク)でも組んでいる。
かつて広島市の都市計画局ホームページで紹介されていた三菱案には、開閉式屋根球場の模型の写真が添えられていたが、これはセーフコそのものである。そして、ミース氏はセーフコの設計者の一人である。
3. ミース氏のサイト
ダン・ミース氏のウェブサイトを発見しました。このサイトには広島新球場も紹介されています。紹介されている2枚の絵がどちらも環境デザイン研究所案のものであるのに対し、クレジットされている年が2001年、というのは平野氏の主張を多少は補強することになるかもしれませんな。
三菱案の資料、市のサイトに残ってました。
ttp://www.city.hiroshima.jp/toshikei/toshika/yard/3-2move.html
どうみてもセーフコです。