秋葉忠利・広島市長が4選不出馬を表明
- 公開日: 2011/01/05(水) 10:14[JST]
秋葉・広島市長:4選不出馬 「方向性示せた」(毎日新聞) (リンク切れ URL: http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110105ddm041010080000c.html)
秋葉氏が今期で引退する、というのは実の所読めていた。カープファンである私は、新球場問題をきっかけに10年来の広島市政ヲチャ(ただし都市計画関連のみ)となったのだが、ここ一年の秋葉氏の政策の反転っぷりから、「引退するんじゃね?」とは思ってた。もっと早くエントリ書いておけばよかった。
ここ一年の秋葉市政の
オリンピック誘致
市民球場跡地に商工会議所
西飛行場存続
というのは、数年前の秋葉氏なら間違いなく拒絶していたと思う。
オリンピックに関しては、(国内予選での落選を前提として)誘致運動を行うこと自体は宣伝としては悪くない。でももう充分な宣伝効果は得られたし、去年の春頃に撤退しておくべきだった。西飛行場についても、都市高速3号線の飛行場付近をトンネルから橋梁方式に変更したのは市長なわけで(それまでトンネル方式で進む計画だったが、市長–県知事の会談でひっくり返った)。商工会議所移転も、わざわざ市が土地買ってやるようなもんじゃない。
だいたい、オリンピック誘致と西飛行場存続は、秋葉氏と対立する会派の自由民主党新政クラブが主張していたネタだし。
で、秋葉氏が一年前くらいから引退を考えてたとすると、この方針転換にも納得がいく。政権交代ってのは、大抵前任者の全否定から入るのが普通(秋葉市政自体、先々代の荒木市政の揺り返し的な傾向がある)だから、上記の政策は、次の代でひっくり返ることになるだろう。
10年ヲチャをやってて思うのは、「秋葉氏は広島市政史上最強の釣り師」ということだ。世論、それも自身に批判的な世論の誘導がものすごくうまい。「叩かせたい所を叩かせている」といったところだ。いい例が「折鶴ホール」だろう。市民球場跡地問題では、当初、(いかにも左翼的な)「折鶴の展示を目的としたホール」に批判が集中していた。で、市サイドは散々このネタを引っ張った挙句、「折鶴展示機能つきホール」→「やっぱり折鶴展示やめます」へと後退していった。で、その間に、通したい所はさくっと(余り注目を集めることなく)通してしまう、という。
実の所、秋葉氏を批判している人は、間接的に秋葉氏を助けている。今年行われる市長選でも、秋葉氏が(こっそり)推している候補は、ここ一年の秋葉市政の全否定を声高にアピールし、秋葉氏に対する批判票をうまく集めてしまいそうな気がする。
予想しておくと、秋葉氏の事実上の後継者は、たぶん保守、それも藤田議長陣営の支持を受けて出馬、それに民主(組合系)が相乗り。保守(自由民主党新政クラブ寄り)と共産がそれぞれ独自候補を出す。後は大原氏に泡沫候補、といったところか。今回は前回よりも票が割れそうだが、ここ一年の秋葉市政に対する批判票を含む無党派層、それに組合系や公明支持層の票をうまく確保して保守市長(藤田議長系)の誕生、となったら秋葉氏のシナリオ通り。
ところで、(秋葉氏と対立している)平野市議は「意中の人を口説きやすくなった」とのコメント(リンク切れ URL: http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201101040193.html)を残しているのだが、まさかのタモさん来る?