アトランタの充実っぷりに噴いた
- 公開日: 2012/01/22(日) 15:59[JST]
地方でのスタジアムのありかた、みたいなのを考えるにあたって他国の状況を調べていたのだが、アトランタの充実っぷりがすごすぎる。
Georgia Dome: NFLファルコンズの本拠地のフットボールドーム。キャパ71228人。
Herndon Stadium: モリス・ブラウン大学のフットボールスタジアム。アトランタオリンピックではフィールドホッケーの会場として使用された。キャパ15011人。なお、このスタジアム、大学の資金難・学長の横領・それに伴う認可取り消しなどの理由により現在は使用されていない。もったいないことだ。
Panther Stadium: クラーク・アトランタ大学の陸上競技兼フットボールスタジアム。ここもアトランタオリンピックのホッケー会場。キャパ5000人(メインスタンドのみ)。真北にはソフトボールグラウンドもあるよ。
Booker T. Washington高校: 一学年300人強の生徒数の9-12制(日本でいうところの中三~高三)の公立高校のグラウンド。このクラスの高校が陸上競技場、野球場、ソフトボール場を持っているのがアメリカクォリティ。ちなみに、フットボールの試合はアトランタ都心から5キロほど南にいったところにあるLakewood Stadium(陸上競技兼フットボールスタジアム。キャパ10000人。所有はアトランタ学区)で行っているとのこと。なお、ブッカー・ワシントンは19世紀末~20世紀初頭の有名な黒人教育者らしく、全米に同じな前の高校がたくさんある。
B. T. Harvey Stadium: モアハウス大学の陸上競技兼フットボールスタジアム。キャパ9000人。
Turner Field: MLBブレーブスの本拠地の野球場。キャパ50097人。アトランタオリンピックのメイン会場を改装したもの。
Phoenix II Park: 陸上競技場、投擲場(どっちもフットボール兼用)、ソフトボール場にテニスコートのある(多分公営の)公園。
Maynard H. Jackson High School: 一学年200人強の生徒数の9-12制の公立高校のグラウンド。陸上競技場兼フットボール場(スタンド無し)と野球場。
Grady Stadium: Lakewood Stadiumと同様、この地域の学区が保有する陸上競技兼フットボールスタジアム。キャパ6500人。たぶん隣接するHenry W. Grady High Schoolの校庭も兼ねているはず。
Georgia Institute of Technology: 大学の各種グラウンド。北からテニスコート、陸上競技場(Griffin Track。1500人のスタンド付き)、フットボールの練習グラウンド(Rose Bowl Field)、野球場(Russ Chandler Stadium。キャパ4157人)
Bobby Dodd Stadium: ↑のジョージア工科大のフットボールスタジアム。キャパ55000人。
アメリカって、基本的に日本でいうところの一種競技場はほとんどなく、その代わりに三種レベルの陸上競技場をたくさん作っている(ちょっと大きい高校なら三種級競技場を持つのがデフォ)。で、向こうの高校陸上競技は高校のグランド(でも三種競技場クラス)で出来る規模の陸上競技会をこまめに開催して、州大会とかは二種クラスの大学の競技場(大体隣にフットボールの練習場があって補助競技場代わりに使える)で開催する、てのが典型的なパターンっぽい。ちなみに陸上は春、フットボールは秋と完全にシーズンが分かれているから両者の間でコンフリクトが起きにくいみたい。これだと日本みたいに一種競技場は必要ないし、ましてや公営である必要もない。
これに大して日本だと、参加人数の多い大会を過密日程で行いがちになるため、どうしても二種+三種、出来れば一種が無いと困る、ということになる。で、それゆえに一種陸スタは比較的容易に建ちやすい。一方、サッカースタジアムは、(球技場として使える陸スタが既にあるので)「アマチュア競技者の為の競技環境を整える」という大義名分が立ち辛く、なかなか公営で建てようという空気になりにくい。さらに、JFAやJリーグが要求するスタジアム基準がやたらと高く、かつJクラブがスタジアムのイニシャル/ランニングコストに見合った使用料を払える可能性も低い(強力な親会社がいるなら話は別だけど。万博に年6億つぎ込むガンバは大したもんだ)ため、どうしても安易な「陸スタ拡張スタジアム」に飛びついちゃうんだよね、サッカー界も。