前回の記事は汎用的でなくわかりづらいのでリライトします。
概要
oyainputは「Linux + X Window System + fcitx又はibus」の環境で親指シフトを実現させるソフトです。これまではLinuxで親指シフトを実現するためにはfcitx-anthy又はibus-anthyを利用する必要があり、かな漢字変換エンジンとしてあまり変換効率の良くないAnthyを選択せざるを得ませんでした1が、oyainputではmozc(Google日本語入力のかな漢字変換エンジンのオープンソース版)を利用可能となり、快適な親指シフト環境が可能となります。
Note
(2021/11/6追記)自分の環境だけかもしれませんが、oyainputを使用しているとXscreensaver等を使ってパスワードロックをかける場合に復帰できなくなるという問題があります(おそらく入れ替えたキーコードのままパスワードを入力しようとする)。「外付けキーボードを接続してそれでパスワードを入力する」ことで対応可能なので致命的というほどでも無いですが、このためにoyainput使用機は外付けキーボードを(普段使いのものとは別に)用意する必要があります。
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過去に遡ればSCIM-anthyやQ's Nicolatter for Xという選択肢もありました。後者ではWnn、VJE-Delta、ATOKなどの商用IMEのかな漢字変換エンジンが利用できました。
基本的な利用方法は上記の公式サイトや、Qiitaの@inwskatsube氏の投稿に書かれている通りです。ある程度のキーカスタマイズ2は可能なのですが、そのままでは「xmodmap3との併用時に期待通りに動作をしてくれない場合がある4」「oyainputが想定していない文字を入力することはできない」という制約があります。本記事では、ソースコードに手を加えることでこの制約にとらわれない詳細なカスタマイズを行う方法を提供することを試みています。その際、チュートリアルとして英数入力モード含めFMV-KB613風の配列にするカスタマイズを行います。