国内パソコンのブランド名を列挙してみる

ソニーがパソコンから撤退するというニュースを受けて「そーいやソニーって昔HitBitとかQuarterLとかあったよね」と昔を懐かしんでみる。以下選定基準。

  • 頭字語(PCとかFMとかMZとかPS/Vとか)は含めない

  • PDA(NECのモバイルギア等)やワークステーション(富士通のCELSIUS等)等「パソコン」の範疇から外れそうなものも含めない。

  • 単発(or一発屋)の機種名(PC-98HAの"HANDY"とか)・アーキテクチャ名になっているもの(X1の"turbo"とか)は含めない。逆に言うと、複数のアーキテクチャにまたがっている名前はブランド名と判断する。

  • 単にその機種カテゴリの特性をあからさまに示しただけのもの(PS/Vの"Entry"、"Master"、"Vision"とか「まんまやんか!」と言いたくなるもの)も含めない。

ソニー

HitBit(1983~1989)

ソニーの独自規格PCであるSMC-777と、MSXシリーズのブランドである。キャッチコピーは「ひとびとのヒットビット」イメージキャラクターは松田聖子である。

QuarterL(1989~1996)

当初はAX規格のPC。AXが廃れた後はOADG規格のPCとなる。基本的に法人向けPC。実は国内で定価30万を切った最初の386マシンである。

VAIO(1997~)

HitBit以来8年ぶりに個人向けPCに参入。とともに海外進出。

NEC

MULTi(1992~1997)

PC-9821シリーズのホビー向けモデルとして投入された。後期モデルは後述の"CanBe"が後ろについた。

CanBe(1994~1997)

MULTiの後期モデルである。"CanBe"無しのMULTiから音源の仕様が若干変わったため、DOSゲーマーの評価はいまいち。以前持ってた(CanBe Jam)。

MATE(1993~)

PC-9821シリーズのフラッグシップとして投入されたモデル。このブランドは後に98NXに引き継がれ、今もなお法人向けデスクトップのブランドとして現役である。持ってる(PC-9821Ae)。

FELLOW(1993~1995)

初期のMATE(PC-9821Aシリーズ)と併売された。グラフィックやサウンドを強化した9821シリーズに対してあくまでもPC-9801VMベースのアーキテクチャのマシンを安価に提供というコンセプトのマシンである。

VALUESTAR(1995~)

元々は富士通のDESKPOWER対抗として投入されたOSプリインストール、ソフトてんこ盛りセットモデル。現在はホームユースデスクトップPCのモデル。

Lavie(1995~)

ノートPCのブランド。後に後述のVersaProが登場し、個人向けノートのブランドとなる。

Aile(1995~1997)

サブノートのブランド。

mobio(1997~1998)

サブノートよりもさらに小さい小型ノートのブランド。東芝のリブレット対抗。

VersaPro(1997~)

企業向けノートのブランド。

ValueOne(2005~2007)

付属ソフトをOSのみにしたシンプルPC、とのこと。こんなのあったのか。知らなかった。

富士通

Fresh(1994~1997)

FM TOWNS(TOWNSはブランド名じゃなくてアーキテクチャ名ということで)のWindowsプリインストール・ソフトてんこ盛りモデル。こいつがそこそこ成功したのでDESKPOWERが登場した。持ってる(Fresh・E)。

DESKPOWER(1995~2010)

元々はFreshのAT互換機版。長らく個人向けデスクトップPCのブランドだったが、2010年に法人向けブランドのESPRIMOに統合された。

BIBLO(1995~2010)

ノートPCのブランド。2005年以降は法人向けモデルはLIFEBOOKに。そして2010年にはBIBLOが逆にLIFEBOOKに統合されることになる。持ってた(486の奴とPentiumのやつ)。

プリシェ(1997~2000)

デスクパワーのサブブランド。女性をターゲットにした液晶一体型モデルである。iMacモドキとか言っちゃダメだゾ。

ESPRIMO(2005~)

上記のように、元々は法人向け(&国外向け)モデルのブランドだったが、2010年に個人向けブランドのDESKPOWERを吸収した。

LIFEBOOK(2005~)

要するにESPRIMOのノート版。2010年にBIBLOを吸収。

LOOX(2000~2010)

BIBLOのサブブランド。モバイルノートである。PDAのブランドだったこともあったはず。以外に長く続いててびっくりした。2010年に親ブランドのBIBLO共々LIFEBOOKに吸収。持ってる(LOOX Rの2008年夏モデル)。

シャープ

Mebius(1999~2009, 2014~)

シャープのWindowsPCのブランド。初期はデスクトップもあったが基本ノートPC。2009年モデルを持ってシャープはPCから撤退していたが、2014年からタブレットPCのブランドとして復活。

ムラマサ(2001~2004)

メビウスのサブブランド。小型ノート。

松下電器/パナソニック

キングコング(1984~1985)

無印MSXのブランド。

Panacom(1987~2005)

法人向けPCのブランド。初期は富士通FMRの互換機。2005年まで生き残っていたとは。

WOODY(1995~1997)

チューナーと録画機能を持った「テレパソ」のはしりである。初代WOODYは何とWindows3.1マシン。これで録画ができていたというのが。

PRONOTE(1995~2001)

ノートPCのブランド。

Let'snote(1996~)

個人向けモバイルノートのブランド。

TOUGHBOOK(1996~)

特殊用途向けノート。名前のとおり頑丈で米軍に納入されてたりする。なお、アメリカではLet'snoteもTOUGHBOOKブランドである。

東芝

パソピア(1981~1986)

独自仕様の8ビット機(無印パソピア、パソピア7、パソピア5)、独自仕様16ビット機(パソピア16)、MSX(パソピアIQ)にまたがって使用された東芝の初期のPCのブランド名。

Dynabook/dynabook(1989~)

東芝のノートPC。ノートPCの最初期からずっとこのブランド名。やたらとサブブランドが多い。

Libretto(1996~2002、2005、2010)

こちらはミニノートのブランド名。2005年以降は5年おきの記念モデルとして発表されている。

Satellite(1995~)

ダイナブックの企業向けノートのサブブランド。上位機種の"SatellitePro"も一時期存在した(1995~1998)。持ってる(Pentiumの奴)。

BREZZA(1995~1997)

個人向けデスクトップPCのブランド。

TECRA(1996~2000)

ダイナブックのサブブランド。ハイエンドノート、らしい。というかダイナブックサブブランド多すぎィ。

Portégé(1996~1997)

これもダイナブックのサブブランド。サブノート。

EQUIUM(1997~)

企業向けデスクトップ機のブランド。何気に長生きしている。以前持ってた(MMX Pentiumくらいの小型機)。

Dynatop(1999~2000)

スタイリッシュなデザインの個人向け液晶一体型デスクトップ。

Quismo(2004~)

ダイナブックのサブブランド。AV機能を重視したノート。2009~2010年度は上位機種が「dynabook」無しだった。

REGZA(2011~)

ダイナブックのサブブランドだけどデスクトップ。いわゆる「テレパソ」。液晶テレビのブランドをそのまま持ってきた。

KIRA(2013~)

ダイナブックのサブブランド。ウルトラブック。

日立

ベーシックマスター(1978~1983)

日立の最初期のPCブランド。8ビット機のレベル1~3、Jr.、16ビット機の16000が存在する。ちなみにレベル3は他の8ビット機とは互換性が無い。

FLORA(1991~)

ベーシックマスターが無くなって以降、日立は長らくパソコンにS1とかB16/32とか武骨な名前をつけていたが、1991年より、法人向けPCのブランドとしてFLORAを採用している。当初はAX規格のPCだったが後にOADG規格のPCのブランド名に(一時期は個人向けPCのブランド名でもあった)。2007年に日立は汎用PCから撤退し、以降はHPのPCを販売しているが、FLORAはシンクライアントのブランドとしてしぶとく生き残っている。

Prius(1996~2007)

個人向けPCのブランド。元々はFLORAのサブブランドだったが2000年以降は単独のブランド名に。

三菱電機

MULTI(1981~1983)

三菱電機初期のPCブランド。8ビット機のMULTI8と16ビット機のMULTI16。ちなみに登場はMULTI16の方が先。MULTI16はシフトJISコードが(CP/M86用BASICの内部コードとして)最初に実装されたPCだったりする。

LETUS(1983~1984?)

MSXのブランド。

MELBRAIN'S(1986頃)

MSX2のブランド。電話機付きとか変わった機種展開だった模様。

MAXY(1988~1991?)

AXノートPCのブランド。この手のマイナーなマシンの調査はグッドデザイン賞の検索が結構使えるな。

apricot(1992~2011)

MAXYに変わって登場したOADG規格PCのブランド。

AMiTY(1993~1995)

タブレットとか小型ノートとかのブランドらしい。

Pedion(1997~2001)

apricotのサブブランドで薄型軽量ノート。

三洋電機

WAVY(1983~1988)

MSX, MSX2, MSX2+のブランド。MSX2+のマシンはフロッピー2台内蔵とかしてなかなかとんがっていた。

AXÂGE(1991~1995?)

「エクサージュ」と読む。名前から分かるようにAXのブランド名。後にOADG規格のPCのブランド名となった。

Winky(1995?~1999)

ノートPCのブランド名の模様。ウィンキー君とかいうペンギンがマスコットだったそうだ。

日本IBM

ThinkPad(1992~)

ご存知、IBMノートのブランド名。各社が銀パソに移行する中、「真っ黒い四角」というデザインをキープしたのはかっこいい。昔使ってた。

Aptiva(1995~2001)

日本IBMの個人向けPCブランド。確かサウンドカードでモデムを兼用するとかいう仕様で、これがトラブルを頻発していたと記憶。キャッチフレーズは「人間万歳パソコン」。

NetVista(2000~2002?)

企業向けデスクトップのブランド。

ThinkCentre(2003~)

NetVistaの後継ブランド。

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