ホリエモン逮捕に関連して

田辺一球ブログより 。

17日付の紙面上にあったやくみつるさんのコメントはシニカルだったが的を得ていた。ライブドア堀江社長は、これまでの慣習から一歩、踏み込み違法直前のぎりぎりのことをする。今回も違法かもしれないと思いつつ、立ち往生するよる突き進む判断があったともいえる。彼にとっては捜査も想定内かもしれない。一方で、足元をすくわれることを軽々しくやるとも思えない。判断を仰ぐブレーンの存在と堀江社長の犯意の範疇を知りたい、とある。「慣習から一歩踏み込む」スピリット。今の日本の大人たちに一番、欠如している部分である。子供は大人の背中を見て育つ。

漫画家(もっといい言い方はないのか?)の洞察力は通常人の何十倍、何百倍だ。大手家電メーカーを辞め、島耕作など多くの「期待される人間像」を生み出した弘兼憲史氏の描く日本の将来像の方が、国や大企業の示す指針より遥かに現実味があったりする。(実際、描かれたことが4、5年後の日本で現実になる。メディアの方が遅れている訳だ)

やく氏の見解こそ、ことの真相を表している気がする。あのホリエモンが捜査の手が狭まっていることに気づかず吉川ひなのと遊び呆けている?だろうか。お縄になるのを覚悟で最後の…、みたいな発想はありえない。メールでそのずべてを進める社の方針からしても、法を犯す集団の特性(機密性)とは趣きが違う。

ツッコミ1

やくみつるのコメントは、たぶん毎日新聞に寄せられたコメント[archive]かと思うのだが、田辺氏はやく氏のコメントを誤読している。やくみつるのコメントは「株取引のグレーゾーンに突っ込んで来るのが彼のパターン。危ない橋を渡り法的な判断を仰ぐためにやったのではないか」というものだ。田辺氏はこの文の主語をホリエモンだと想定しているが、後半の文後段(「法的な判断〜」のくだり)の主語は地検ではないか? 結局、やくみつるは、ホリエモンについては、「違法ぎりぎりの手を取りたがる」という通り一遍の解答をしているだけだと思うのだが。

ツッコミ2

つか、やくみつるにしても、弘兼憲史にしても、90年代前半にピークを迎えた人でしょう。「部長」以降の島耕作なんて現実にあった出来事を後追いしてるだけですし。やくみつるにしても、スポーツ4コマファン(俺含む)の多くは「はた山ハッチ」の名を捨てて以降はダメ、と言い切っているわけだが。

ツッコミ3

あと、まんが家の洞察力を云々するのであれば、ビッグコミック誌に連載中の細野不二彦の「ダブルフェイス」にも着目すべきだろう。このまんが、ちょっと前に「調子に乗りすぎてタブーに振れてしまったヒルズ長者の急速な破綻」というテーマの話を描いていた。これこそ、まんが家の鋭い洞察力の賜ではないかと思うのだが。

コメント(1)

  • 投稿者: KtJ
  • 投稿日時: 2006/01/24(火) 06:13[JST]

毎日新聞の印刷版ではもうちょっと長いコメントが入っているっぽいのでツッコミ1は撤回。

でも、やくみつるのコメントに反してライブドア、「足元をすくわれることを軽々しく」やっていたっぽいね。そもそも(株式の分割による株価つり上げとかギリギリセーフだとは思うが)粉飾決算とかはさすがにまずいでしょ。出資者に対する背反行為なんだから。合法/違法を問う以前のレベル。



Note

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