Jリーグの観客動員に招待券は含まれるか
- 公開日: 2013/08/04(日) 10:34[JST]
このTweetを見て気になったから調べてみた。
アイミー (@7aimy3) at 8:19 AM - 1 Aug 2013(JST)
有料入場者は発表されていないと思う。第51条〔公式記録〕d 入場者数は実際にスタジアムに来場した観客の数とし、以下の各号の合計をもって算定する。http://t.co/9fLsYcA63N 2013 Jリーグ試合実施要項
以前の2chでの議論だと、試合実施要項の55条で「入場券」「招待券」の区別をしており、51条では入場券を持った客(と未就学児と車椅子客とVIP)をカウントすることになっているはずだから、招待券は入場者数に数えていないはず、というものだった。とはいえ、「招待券」については明確に定義されておらず、無償で入場できる「いわゆる招待券」が実施要項上の招待券に該当するかどうかは分からない。
論理的に考えるならば以下の理由から招待券を含む実入場者数であると考えられるけど(そのへんはクラブの裁量もあるんじゃないかと)。
有料入場者数としてカウントするならば、無償で入場できる未就学児と、入場料が規定されていないVIP席の客が含まれてしまうのはおかしい
Jリーグはスタジアムに公式スポンサーの広告をおいて広告料を得ているため、欲しい数字は実入場者数のはず
「招待券は入場者に数えない」というルールだとしても「入場券引換券」という手を使えば回避できてしまう
で、サンフレッチェの場合。第2回サッカースタジアム検討協議会での小谷野社長の発言によれば、無料券を除いた客単価は1614円とのこと(しかし無料券の売上を収益と費用に計上、というのがよく分からない)。ちなみに公式発表の観客数と入場料収入から算出される平均入場料収入は1695円だから、無料券を入場料収入に入れているが入場者数にはカウントしていない、ということだろうか。無料券は配布しただけで実際に入場していない客が多い、あるいは配布せずにスポンサーの在庫になってしまってる券が相当ある、とも考えられるが。
結論。よく分からん。どっちの可能性も否定できない。
(追記)もう一つ資料を見つけた。Jリーグ スタジアム観戦者調査2012 サマリーレポート。この62ページに記載の「チケット入手方法」によれば、「チケットをもらった」(概ね無料券と推定)の比率が19.8%とのこと。もっとも1試合の、それもサンプル数400程度のアンケート結果なのでこれをそのまま全体の数字に当てはめることは適切とは言えないが。
(8/6追記)上で挙げた小谷野社長の「無料券を配布しており、これを収益に計上し、同時に交際費として費用計上している」というのが何なのか考えていたのだが、「無料券をサンフレッチェ自身が購入した形にして、この購入費を交際費として計上する一方で入場料収入に加算している」と仮定すると一応つじつまが合うな。
(2016/1/23追記)2014年と2015年の試合実施要項は2013年のものと比べるとずいぶんスリムになっており(いくつかの条文をJリーグ規約に移動させた模様)、招待券に関する部分もJリーグ規約(75条)に移動している。
(2016/1/24追記)「招待券」はJリーグの「主管権譲渡承認申請書」(主管権譲渡規程の様式1)にも記載があった。「乙(主管権の譲渡を受ける都道府県サッカー協会)は、Jリーグ所定の枚数の招待券を、無償にてJリーグに提供する」とのこと。そうすると、Jリーグ規約上の招待券はJリーグ関係者向けのチケットとも解釈され、クラブから地元に配布される(いわゆるタダ券の)招待券は規約上は入場券扱い、とも解釈されうるのだがどうだろう。(付け加えると、関係者向けの招待券は大抵VIP席だろうからこれも入場者数にカウントされるはず)