市民球場跡地の制約
- 公開日: 2012/09/22(土) 10:16[JST]
- 更新日: 2022/03/30(水) 20:39[JST]
跡地の制約についてぐぐってみたら広島市が作った資料を発見した。「旧市民球場跡地にかかる現行の制約条件」ってやつ。てことでこの資料を基にまとめてみる。
1. 都市公園法上建築可能な面積は27300平方メートル
30000平方メートルはあるかと思ったがもっと少なかった。ちなみに中央公園の面積は427600平方メートルでこれも私は大きめに見積もっていた。てことは、グリーンアリーナは平成5年6月30日の都市公園法施行令改正(当時の第5条、今の第6条)を見込んで設計されていたってことか。そう考えないと旧市民球場の建築面積が6000平方メートル未満となってしまう[1]。
てことで、都市公園法上、スタジアムのキャパの上限は36400人くらい(他のスタジアムの例を見ると、建築面積はだいたい{収容人員の3/4}平方メートル程度なので)。A代表用のスタジアムとしてはちと小さいか。まあ、基町アパートを解体して土地交換してしまえばいいんだけど。ただその場合、スタジアム用地を市が買い取るか相応の(少なくとも現状よりも高額の)土地使用料を払う必要があるんだけど。
2. 文化財関連(文化財保護法がらみ)
旧市民球場を含む広島城周辺は江戸時代の城下町である。そのため、何か掘る度に文化財が発掘される可能性があるので、事前に調査して何か見つかったら保全の為に必要な措置を取りましょう、というお話。平野市議によれば、外堀の石垣を復元したいとの希望もあるようだ。なお、この平野市議のコラムに載っている地図(中国新聞からの転載のようだ)によれば、外堀はちょうど相生通りから西に伸びて旧市民球場のレフトスタンドを通過するように北に伸びている。グリーンアリーナとか基町アパートとかもろに外堀の上ですな。
まあ、この辺は深く考えても仕方があるまい。上記の平野市議のコラムによれば、旧市民球場から十分に離れている大手町界隈ですら文化財が発掘されているのだから。
3. 建築物を作ることが困難なエリア
旧市民球場の南側一体、旧市民球場レフトスタンドと商工会議所及びPL教会の間、それに旧市民球場ライトスタンドの北東に隣接するエリアは地下に構造物があるため、その上に建築物を作ることが困難である、とされている。
これ、地味にきつい。つまり跡地にスタジアムを建てる場合、その敷地は旧市民球場の敷地+北西のエリアまでに限定されてしまう。arch-hiroshimaによれば旧市民球場の敷地面積は23848平方メートル。北西のエリアまで含めてもスタジアムに使えそうなエリアは25000平方メートル強ってとこか。
上記のように、建築面積÷0.75がおおよその収容人員なので、跡地に作る場合は20000人クラスが上限となる。高さ制限を考慮するともっと少なくなってもおかしくない(跡地南側が20m制限なので。ちなみに18000人収容のフクダ電子アリーナの高さがちょうど25m)。ビッグアーチで25000人動員できている状況からするとこのキャパはきつい。
4. 結論
正直、「クラブの動員力や都市規模に見合ったレベルのスタジアム」を市民球場跡地に建てることは極めて困難であるといわざるを得ない(特に地下構造物がらみで)。広島に専スタを望むのであれば、跡地には早めに見切りをつけて別の好立地を提案すべき。でないとなしくずし的に宇品になっちゃうぞ。