広島サッカースタジアム久保会長案

3月3日にサンフレッチェ広島・久保会長(エディオン社長)によるスタジアム案が発表され、サンフレッチェのサイトでも公表されている[archive][1]

そのスタジアム案の内容は大雑把に言ってこんな感じ。

  • 跡地に25000人級。名前は出せないが建築の専門家が検証し掘り込み無しで可能と結論づけた

  • ピッチと観客席の間隔は5m

  • 建築費140億はスタジアム使用料45億、エディオンから30億、toto等補助金(35億)、その他寄付金で賄う。県や市からの補助金は無し

  • 25000人級でも国際試合が可能なことを確認した

  • みなと公園にスタジアムを建てることになってもサンフレッチェは使用しない

「時間切れギリギリになってようやく話し合いができる材料が出てきた」というのが正直な感想。これがスタジアム検討協議会(2013/6~)に先立って出てたらずいぶん話も変わって来たろうに…、とも思う。何度も書いてるけど、市の立場からすると

  • 跡地という一等地は幅広い用途に使いたい(が、スタジアムとそれ以外を十分に両立できるほど跡地は広くない) [2]

  • 跡地にスタジアムを作ったとしてもサンフレッチェが十分な期間使ってくれるという保証がどこにもない(掘り下げ抜きで建てた場合、高さ制限のある跡地では「傾斜の緩い25000人級」が上限でそれ以上の拡張不可。跡地に移転しました→人気が上がりました→キャパが足りないので出ていきます、になる可能性は否定できない)。

ということで陰謀論抜きでも及び腰になるのが当然。でもエディオンがお金を出すということなら後者については「傾斜の緩い25000人級でも30年は使ってくれそう」という目算が出てきたともいえる。あとは前者の方だけど、これも市・県がある程度の資金援助をする代わりに、例えば

  • イベント広場機能や各種文化施設(少なくとも老朽化した青少年センターの跡地内での建て替えは必須)との共存が可能になるよう、スタジアム案の変更(プロサッカーの為の機能の縮小も辞さない)

  • 跡地ではなく中央公園芝生広場・運動広場へのスタジアムを提案

という交渉をしてもいいよね。ということで、エディオンがお金をだす宣言をしたことでようやく交渉ができるようになった。少なくともno chance!では無くなったよ良かったね、というのが私の見解。

とはいえ、「市や県の負担はゼロです」というのがどこまで本当なのかやや不安ではある。エンティアムという前例もあるしね。[3] 久保会長の発言と矛盾しない、想定できる最悪の条件はこんな感じ

  • エディオン30億、使用料45億はそれぞれ(ネーミングライツとして)年1億、年1.5億という意味。ゼネコンへの支払いは市が(無利息で)肩代わりしてほしい

  • 竣工後スタジアムは市に寄付するので(これ自体はまあOK)維持費は市の負担で

  • 武道場の解体が必要になった場合はその解体・移設費用は(武道場所有者の)県持ちで

今後の市・県とクラブとの協議で、このあたりはきちんとしておいた方がいいんじゃないかと思う。

あと蛇足だけど、

  • ピッチとスタンドの距離5mってことだけどFIFAの推奨はゴールラインから10m、タッチラインから8.5メートル。あとこんなに小さいとラグビーの試合にはちと厳しい

  • FIFAは代表戦のスタジアムのキャパについては言及してないけど日本代表戦についてはJFAが主管になる以上JFAの都合が優先されるんじゃないかな。男子A代表やオリンピック代表はドル箱だしJFAもキャパの大きいところでやりたいんだろうし。女子代表やユース以下、あるいはJFAの頭越しに「二本代表以外のFIFA公式戦を誘致」とかなら25000人級でも大丈夫だと思うけどそれならそうはっきり言うべき

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Note

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