石橋市議の質疑関連について
- 公開日: 2014/03/21(金) 15:32[JST]
- 更新日: 2020/07/18(土) 11:26[JST]
(3/26 広島ヘリポートに関する内部リンク追加。確かにここの投稿だけだと陰謀論に見えちゃうね)
(3/22 句読点とか語尾(「思う」が連続してあったり)とか誤字とかを修正)
石橋竜史広島市議の予算特別委員会での質疑をところどころはしょりながら見た感想。
(30分ごろ) 中央公園にある市営の各種施設(中央図書館、こども文化科学館、青少年センター、ファミリープール等)を聖域化せず、コストカットの対象とすべき。
→都心に年150万集客できる設備に年3億6千万ならまずまずcost-effectiveだと思う
(31分ごろ) 中央図書館もプラネタリウムもスタジアムに複合する
→跡地に集約させる、というのはアリだと思うけど別にサッカースタジアムに複合する必要はないよね。そもそも中央図書館とこども文化科学館で14000平方メートルくらいの延床面積が必要だけどスタンドの下に入る?
(32分ごろ) 複合化すると維持管理費の軽減や、「水平利用」による集客の相乗効果が期待できる。
維持管理費ってそこまで軽減できるかな?まったく別の場所にある複数の施設よりは効率的だろうけど、「互いに近接している施設」と「複合化した施設」はそんなに変わらないような気がする。相乗効果はその通りだけど、複合化しなくても施設同士が近接してれば達成できるよね
(37分ごろ) 都市公園法の補助金で最大1/2のスタジアム建築費の負担が可能。複合スタジアムで120億なら60億
→これはちょっと楽観すぎ。「プロサッカーのためのスタジアム」は補助の対象になっていない。「アマチュア用のスタジアムとして適正な額(10億くらいか)+併設する公共施設分の半分」くらいが妥当な金額かと。あと「中央図書館とプラネタリウム込みのスタジアム」が120億で済むとも思えない。付け加えるなら、都市公園法の補助金を使うとtoto助成金は使えなくなるよ。
(38分ごろ) 好立地ならばネーミングライツの価格も期待できる。例えば京都会館(52億一括/50年)。
→好立地だとネーミングライツが期待できるのは確かだけど、京都会館を例にするのはちょっと違うんじゃないかな。ネーミングライツを取得したのはロームだから「地元への還元」という意味合いの方が大きいと思うよ。というか京都会館ってそんなにいい立地かなぁ。京都の中心から2キロくらい離れたとこだし。
(39分ごろ) 25000~30000人規模が妥当。
→「現状では」というくくりなら同意。ただ、将来的にはおそらく足りなくなる。アメリカだとMLBのスタジアムが35000~50000人くらいに対してNFLのスタジアムが65000人~90000人くらい。欧州のサッカースタジアムも、広島と同レベルか小さい都市でも4~5万クラスのスタジアムが建ってたりするし。
(41分ごろ) 中央公園は新球場建設時にも候補になったが、日照権、騒音問題が懸念され候補からはずされた。
→えーと、どうだっけ。あったあった。確かに、騒音問題から困難、とは書かれているね。
(43分ごろ) 西飛行場については、ヘリポートの問題がJリーグより指摘されている。
→これ、前も書いたけどこやのんがそういう回答を誘導する質問をしている。ヘリポートからスタジアムまで1キロ以上離れているので不問と考えてもよさそう(味スタやレベスタはもっと近い)。
(44分ごろ) 西飛行場は広島の端だからまちづくりとして寄与できるのか。
→これも前書いたけどマリーナホップには寄与できるよね、少なくとも。ていうかそれを言っちゃうと年20数試合しかないプロサッカーが中心部の活性化にどの程度寄与できるのか、という問題も。個人的には、プロサッカーというコンテンツは「郊外エリアの中心」に置くのが一番まちづくりに寄与できるんじゃないかと思ってたり。泉中央にスタジアム作った仙台とか典型。
(45分ごろ) みなと公園にスタジアムを作る場合、別途防災拠点を確保する必要がある。国の補助金を返還する必要も。
→競輪場とかメセコン用地とか当ては結構あると思う。補助金についてはその通り。ただ、それこそ石橋市議が述べたようにスタジアムに防災機能を持たせることも可能だろうし、みなと公園の10haの土地すべてをスタジアムに割り当てるわけでもないから数億程度の負担。けして少なくはないがこれをもってみなと公園をNGにするレベルじゃない。
(48分ごろ) 広域公園のコンサート誘致でサンフレッチェの使用料分は十分に賄える可能性がある。
→たぶん無理。サンフレッチェが市に払っている使用料(純粋な使用料は指定管理者に入るので市に入るのは広告・飲食分の3600万)っていうのはコンサート1.5回分だけど、指定管理業者に入る額(5年で2回までは全額指定管理者、それ以上は市と折半)を考えると、現状に対して年4回コンサートを増やしてようやく賄える計算(指定管理者としてはサンフレッチェの使用料収入がなくなるので年+1回までは全額指定管理者の取り分にすべきかと)。
(50分ごろ) 市民球場跡地に3万人の複合スタジアムは十分可能。
→これ、市議のブログ(2020/7/18 リンク先変更。旧URL: http://blog.koeya.com/20140315.shtml)によると、武道場解体が前提なんだよね。つまり、この案って武道場の建て直しコスト(10数億程)が必要になる、ということ。みなと公園では国の補助金を問題視しているのにこっちを不問にしているのは不公正ではないだろうか。あと、高さ制限をかなり甘く見ていると思う。25メートルって長野の新スタジアムの高さなわけで、高さ制限を守った上で普通に作ると15000人級ってことになる。もちろんスタンドの傾斜を緩くすれば3万人も可能ではある。換言すれば「跡地に建てられる3万人級スタジアムは他の土地に建てられる3万人級スタジアムよりも見やすさという点では幾分落ちる」ということ。あと、高さ制限の撤廃はまず無理。ユネスコに「日本人は世界遺産の景観保護をサッカーの為に投げ捨てます」というメッセージを送るようなもんだから。世界遺産登録を目指している国内の他の地域にとっても迷惑な話だし国からストップがかかると思う。跡地は国有地だしね。
(52分ごろ) 一民間企業(日本政策投資銀行のこと)に無償で調査をお願いするというのは公平性が担保されないのではないか。
→Wikipediaによれば日本政策投資銀行って日本政府が100%出資の企業なので、他の民間企業と同列に扱うのはどうかと。それに傍士銑太氏の出身組織だし、Jリーグ寄りの企業ではあるんだよね。
色々ツッコミいれたけど、根っこ「多様な施設を跡地エリアに集約させよう」という部分では私の考えとそうは違わないかな。というのが感想。ただ、市民球場跡地にスタジアムを、という思いが強すぎてしばしば安易な楽観論に傾きがちなのが気になる。