シャレオ問題

第3セクターの広島紙屋町地下街シャレオが債務超過に陥り、広島市が173億円の支援を決定した (http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000000601270003 リンク切れ)。この点に付いて、中村社長の責任を問う声も多い。

だがちょっと待て。そもそもシャレオは構造的に採算が取れる代物なのか? 通常の経営で採算がとれるにもかかわらず、経営陣が決定的なミスを犯した結果の赤字垂れ流しならば、どうみても社長の経営責任だ。だが、そもそも採算のとりようの無い事業であったのならば、シャレオを推進した市当局と、議会における決定プロセスに問題があった、ということになる。

そして、問題は後者であると結論づけざるを得ない。

まず、他の地下街の状況について調べてみよう。大規模地下街としてパッと思い付くのは、東京駅、新宿駅、大阪梅田、岡山一番街くらいだろうか。そして、商業地の規模が大きいにもかかわらず地下街が発達していない例として渋谷が挙げられる。

まず東京駅 。東京駅の東側の京橋と日本橋、西側の丸の内と大手町の双方が江戸時代以来の大商業地域である。この町のど真中に、都市を分断するような形で東京駅と線路が覆いかぶさっている。

東京駅は地上と地下にホームを有する駅であり、地上、地下に多数の改札がある駅である。また、丸ノ内線の東京駅改札も又、地下に改札がある。それ故にJRと地下鉄の改札を繋ぐため、又は駅の東西を連絡するための通路としての地下道の需要は大きい。

また、駅の真東には交通量の大きい首都高速八重洲線が隣接しており、東京駅から京橋、日本橋地区に移動するための地下通路も、それなりの規模で必要となる。最低でも3箇所は必要だろう。

このように、東京駅は大規模な地下道を必要とするエリアであり、その通行量を考慮するならば、地下街は必然ともいえる。

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