新球場とNBBJ

いつもながら、平野市議のコラムはインサイダー情報がだだ漏れでネタ元としては重宝している。氏の主張にはまったく同意できないが。

さて、1月9日付のコラムによれば、新球場(環境デザイン研究所案)のロゴは、ダニエル・ミース氏なる人物が2001年頭頃にデザインし、市に提出したものであり、このロゴとともにミース氏は新球場のデザインを市長に説明したとのことです。そして、環境デザイン研究所案はこの時の新球場案の屋根をそのまま持ってきたものである、と指摘しています。その上で、今回のコンペはミース氏が関与しているので、公平・公正ではない、と主張しています。

まず、今回の審査は第3者によって行われたものであるので、事前に市長から何らかのサジェスチョンが審査員に伝えられたものでない限り、公正さは保たれていると思います。そして、コンペは建築家の技術コンテストではありません。競作によってよりよいものを得ることが目的です。従って、公平である必要は何らありません。公平であることを優先させて優秀な案が除外されてしまうのであれば、そっちの方が問題でしょう。

そして、ダニエル・ミース氏について調べた所、いくつかネタを発掘できました。

(1/13追記)

まず、ダニエル・ミース氏がどのような人物かについて。ぐぐった結果、メトロポリスマガジン2000年4月号の記事[archive]が引っかかりました。この記事によれば、ダニエル・ミース(Dan Mies Meis)氏はNBBJ Sports(SAFECO FieldやMiller Parkを手がけた大手設計事務所。HOK Sportsのライバル)に籍を置いているデザイナーであり、しかも、Staples Center(LAの多目的アリーナ。NBA, NHLで使用)の主デザイナーです。

このクラスの人が動くってことは、完全に企業としての行動です。市に頼まれたから動いたわけでも、(平野市議が主張するように)イスメーカがお金を出したわけでもなく、ビジネスチャンスとみて広島市に売り込みをかけた(ちょうど去年のアラップのように)、というのが真相でしょう。

そして、ミース氏が手がけたといわれる球場デザインですが、NBBJ上海支店のサイト[archive]に載っているものがそれでしょう。図を見る限り、扇状の開閉式屋根を鯉に見立てたものと思われますが、環境デザイン研究所案の屋根に似ていますか? 部分的に似ているかも、という部分はあるかもしれませんが、全体としては別物だと思うのですが・・・

(1/13)以下のネタを統合すると、以下の経緯でコトが進んだのではないと。

  1. NBBJ、広島の新球場プロジェクトに興味を持つ。市にコンタクトをとる。

  2. 高村都市計画局長、NBBJのミース氏と面会。(2000年11月)

  3. このころ、エンティアムの原形となるプロジェクトチーム(鹿島、カープ、電通西日本)結成。市内に事務局を設ける。(2000年12月頃)

  4. ミース氏、来日。秋葉市長を訪問。市長、新球場のアイディアを受け付ける旨回答。(2000年12月)

  5. ミース氏、再来日。ロゴと開閉式屋根の新球場のデザインなどを提案。(2001年1〜2月)

  6. ほぼ同時期、カープ、鹿島、電通のグループも新球場案を市に提出。

  7. 市、カープ案のオープン球場を有力案として公表[archive](2001年3月)

  8. NBBJ、カープらのプロジェクトチームに参入。エンティアム解散後、前回・今回のコンペには、アドバイザーとして環境デザイン研究所に助言。前回コンペ時の環境デザイン研究所案(平野市議の06/11/17付コラムより)も、屋根の形がNBBJ設計のPaul Brown Stadiumに似通っているため、NBBJの関与があったものと予想されます

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