サッカー・ラグビー・アメフトのスタジアム要件をまとめてみる
- 公開日: 2014/02/02(日) 12:36[JST]
Twitterで興味深いやりとりが流れていたので
Twitter 高槻熊っぽい、何か、、、? @takatuki_kuma at 11:16 AM - 31 Jan 2014 JST
ラグビ-とかもできるようにすると、どうなるんかね。ピッチの規格の違いを見てみようかな。
Twitter スカパラ @sky_parler at 11:40 AM - 31 Jan 2014 JST
@takatuki_kuma どうぞ。 http://t.co/ZFw6lRe42B
Twitter ふがじん @fugajin at 11:41 AM - 31 Jan 2014 JST
@takatuki_kuma 実はラグビーにはピッチに対して明確な規定はないのよ。だからロンドン五輪ではサカスタでした試合もある。一般的には安全の為ゴールからスタンドまで10〜15mぐらいあけるみたい。
Twitter スカパラ @sky_parler at 11:52 AM - 31 Jan 2014 JST
@takatuki_kuma ふがじんさんの仰る通り、ヤマハやカシマでさえラグビーが行われた実績もありますがインゴールは10m以上確保するのが一般的のようです。ラグビー用途前提だとゴール裏が緩勾配の低いスタンドになるのと、ピッチが荒れることが懸念材料ですね。
ええと、ラグビーの競技場については競技規則に一通り記載されている。それによると、
フィールドオブプレー(実際に競技が行われる領域)は、長さ100m以内且つ幅70m以内。インゴール(トライ時にボールを置く領域)の奥行きは22m以内
競技区域(フィールドオブプレーとインゴール)の寸法は、できるだけ上記寸法に近づける
ゴールラインとデッドボールラインとの間隔(つまりインゴールの奥行き)は可能であるなら10m以上とする
シニア代表の試合については、フィールドオブプレーは長さ94m以上且つ幅68m以上。インゴールの奥行きは6m以上とする。なお、最大寸法に極力近づけること
周辺区域は可能な限り5m以上とすること
ということで、必要最低限のサッカーフィールド(120x80m)でも、実はラグビーの試合は開催可能。ただし、ラグビーの場合、コンバージョンをトライの際にボールを置いた位置の正面から行うため、トライした選手はインゴールに入ってもすぐにボールを置かず、極力ゴールの裏に近づこうとする。なんで、通常より極端にインゴールの奥行きが短いグラウンドだと、選手が戸惑うようにも思われる。インゴールは15メートルくらいはあっても言いような気がする。
あと、ラグビー観戦上の特徴として
観戦時にホーム・アウェイをあまり厳密に考慮しない。一応メインスタンドとバックスタンドに分かれるが、敵味方入り混じりで応援してもサッカーほど問題にはならない
監督が観客席にいる
よっぽど大きな試合でも無い限りゴール裏は使わない
まとめると、ラグビーの場合
サッカーのフィールドでもラグビーの公式戦は可能。ただし、実用性を考えると130〜140x80m程度は欲しいところ。
最低メインスタンドがあればオーケー。
あと、ラグビー前提だと傾斜が緩くなる、ってことは特に無いんじゃないかな。既存のラグビー兼用球技場で傾斜が緩いのは単に建設コストの問題じゃないかと(アマチュア用の球技場だから観客の都合は後回しにされやすい)。
次、アメフトの場合。
フィールドの寸法は360x160フィート(約110x49m)。この外側にチームエリアとかがあるので実際は117x67m程。サッカー場に十分収まるサイズではある。
また、アメフトって試合あたりの競技者の数が多い。1チームあたりの人数は最低11人だが、大学/社会人レベルならオフェンスとディフェンスで選手が完全に分かれるし、戦術に応じて使う選手をこまめに切り替えるし負傷時(一試合あたり2~3人くらい出る)の代役も必要。大体1チームあたり30数人以上、というのが基本。で、一度に試合に出れるのは11人なので、残りの20数人はフィールド外で立っている。また、ホーム/アウェイはメインスタンドとバックスタンドに分かれるのが普通。なんで、メイン・バックスタンド最前列の高さを十分(少なくとも3mくらい)にとるのが重要。
てことで、ラグビー・アメフト兼用にするならば、
ラグビーのために、ゴール裏は多少(それぞれ5m程)深くした方がよい。
アメフトのために、メイン・バックスタンド最前列を高めにしたほうがよい。
ということになる。
あと、ラグビーもアメフトも(特別な試合で無い限り)そんなに観客が入るわけじゃなく5000人くらいが適切キャパ。これはJリーグ・代表戦以外のサッカー(高校とかなでしことか)についても同様。で、これらの競技を運営するに当たっては25000人ってでかすぎるので、うまくゾーニングを行って小規模スタジアムとして使えるようにする工夫が必要。