2003年1月の日記
- 公開日: 2003/01/19(日) 12:00[JST]
- 更新日: 2019/10/22(火) 18:19[JST]
2003年01月03日(金)
年頭予測(PC編)
ここ1年ほどのPC-UNIXのデスクトップ環境の充実ぶりには実に驚かされる。万能メディアプレイヤーのMPlayerはDVDの日本語字幕に対応し、MPEG4などの新フォーマットにも対応、WindowsMedia等のストリーミング再生も可能であり、ついにQuickTimeの再生も可能になったようだ(ただし再生のためにはWindowsに含まれるファイルが必要。またFreeBSD-4.7STABLEではまだうまく動かなかった)。OpenOffice.org1.0も、万全とは到底言い難いが、swriter(Wordクローン)をちょっと使ってみた限りでは、コメントや変更履歴などにも対応しており、少なくとも僕の仕事用としては充分使えそうなレベルに達している。
僕がPC-UNIXをメインで使うようになっておおよそ2年半ほどになるが、ここ数ヶ月、自宅でゲーム以外の用途でWindowsを起動することはほとんどない。たいていのことはFreeBSDでこなせるようになってしまった(裏を返せばその程度の使い方しかしていない、ともいえるのだが)。つまり、
日本語入力:VJE-Deltaで快適かな入力[1]
Webブラウズ:Flashも見れるMozillaとGaleon、それにw3m-Image
Mail:Sylpheed-claws[2]
2ちゃんねる:Emacs21+navi2ch+モナーフォントでAAも(だいたい)OK[3]
Webページ作成:Emacsで[4]
画像加工:XSANEで取り込んでGIMPで加工[5]
PDF:見るだけならAcrobatReaderとgvとxpdfとkghostviewの中からお好きなものを
DVD & ムービー:MPlayerでOK。Real謹製のHelix Clientもそろそろ出そうだし[6]
MP3:聴くだけならxmmsで
MIDI再生:TiMidity++ & Gravis Ultra Sound音色データ & SC88Pro風パッチ
CDR焼き:BurnCD
ということ。オープンソース系開発者の皆様方には頭を下げても下げきれない思いだ(もちろんVJE-Deltaのバックスにも)。あとはQuickTimeが再生できるようになって、FlashPlayerがバージョン6になって(って今macromediaのサイト見たら出てるじゃん、Flash Player 6 for Linux。Wow!)、Shockwaveが再生できるようになって、navi2chで一部のunicodeが表示できるようになればもう何もいらない。
一方、ここ最近はWindows用の新し目のゲームに対する興味をやや失いつつある。というか、もともと3Dバリバリのアクションゲームには興味がなかったんだけど。去年買ったのは、Black&White(安かったので)と桃太郎伝説(笑)と、あUltima Completeも去年だったっけ。それくらい。正直なところ、あまりゲームをやる暇がなくて、ため込んだ昔のゲームをやるのに精一杯だったりする。昔のゲーム、充分面白いし。あと、Project EGGで遊んでみたいゲームも結構あるし(リバーヒルの大正シリーズと、マイクロキャビンのはーりぃふぉっくすと、ハミングバードの地獄の練習問題は押さえておきたい)。
そんなわけで、現状ではデスクトップ機はちょうど一年前に買ったAthlonXP1700+で充分満足。一番CPUパワーを要する「新し目のゲーム」に興味がないので、当分このマシンで行くことになると思う。そりゃメモリくらいは追加するかもしれないけど。サブノートも今これを書いているThinkPad i1124-93Jで充分...だと思う(最大192MBでは将来メモリが足りなくなる可能性は否定できない)。サーバもVIA EDEN 533MHzで問題なさそう。ダイナミックDNSで公開サーバ建てたらどうなるかわからんけど。Macは、system7時代のソフトしか使わないのでGazelle-250MHzで充分でしょう。HDDが1.2Gと少なすぎるのでこれは追加するかもだけど(その場合一旦PM6300/120のロジックに戻す必要があるのでちとめんどうだな....)。
とまあ、こんな感じで自分の環境を振り返ってみると、「もう新しいパソコンいらない」という状況になっていることに気づく。かつてはゲームやビデオ再生環境、Web環境(Pen120-メモリ32MのLinux機でのNetscape4.7は実に重かった)なんかが新PCの強力な購入動機となっていたわけだが、それらがほぼ一通り達成されてしまった今となっては、さしたる購入動機がなくなってしまった。少なくとも僕にとっては。僕はPCでDVDを見たり、ゲームをやったりするので、たぶん普通のユーザよりはやや高めのスペックのマシンを必要とする方だと思うので(そりゃDVDエンコする人程高いスペックはいらないけど)、一般のPCユーザさんは、もっと早くからそういう状況になっていた(遅くとも満足にWinXPを動かせるギガヘルツ機がエントリー機になってしまったあたりから)のでは無いのだろうか。
僕が「パソコン」なるものを使い始めてから今年でちょうど20年になる。当時使っていた初代FM-7から今のギガヘルツ機に至る発展の度合いを見ていると、「よくぞここまで」と感慨もひとしおだ。パソコンが「永遠の半完成品」と呼ばれるようになって久しいがここへ来てパソコンはようやく「完成」したという感がする。しかも、まだまだ敷居は高いと言わざるを得ないが、オープンソースOSベースですらその状態に近づきつつある。今後は、パソコンの買い換えサイクルは今よりもずっと長くなっていくのではないだろうか。あるいは、「パソコン」という商品カテゴリそのものが隅に追いやられてしまうのかもしれない。
また、昨年のセキュリティ問題を考えると(OpenSSHまわりで相次いでセキュリティホールが発見されたときは大変だった。毎週カーネルコンパイル、毎月make worldみたいな感じで)、もはやコンシューマOSは一企業の(それがマイクロソフトクラスの企業であっても)手に負えるものではなく、オープンソースモデルに委ねるほかは無くなってきているように思える(セキュリティに関しては決してMSが糞、というわけではない。FreeBSDだって相応にセキュリティホール多いし、AppleやSunがWindowsを作ったとしてもセキュリティレベルは今並か、もっと悪くなっているだろう。本来コンシューマOSとしての利便性はセキュア度とは相反するものであり、利便性とセキュアであることを両立させるには計り知れない労力を要するものだ)。
で、MSなどはそういった「ポストPC」時代を踏まえた戦略を取っているように思える。ここ最近のMSの製品や計画を見ると今まで「パソコン」一台で賄ってきたものを、インターフェースであるFreeStyleと家庭内アプリケーションサーバとしてのMediaCenter、ゲームコンソールとしてのXBOX、といったように目的別に解体しようとしているように思える。コンシューマOSとしてのWindowsはひょっとすると次のWindowsMAX(Longhorn)で打ち止めとなるかもしれない。ゲイツはコンシューマOSで食えなくなったときのために、上流(.Net Server)と下流(インターフェース=FreeStyle)を押さえにかかっている、という考えは穿ちすぎだろうか。また、ソニーが提案しているデジタルネットワークも同種のコンセプトだと思う(というか、提唱したのはソニーの方が先なのだが)。そんなわけで、こういったデジタルネットワークでのプロトコルを押さえたところが次世代の業界のリーダーとなるのかな、という気がする。それをやりそうなところはMSか、IBMか、或いはソニー・東芝連合あたりか。
そうそう、アップル。Macは僕にとってはTOWNS同様、もう過去のアーキテクチャではあるのだが、(Macが駄目、とかそういう意味ではなく、単に僕がMacでやりたいことはG2PowerMacとOS7.6で充分こなせてしまう、という程度の意味です)ウォッチャーの観察対象としてはなかなか面白い。
去年のMacの売り上げは結構やばい。SWITCHキャンペーンと年末のiBook値下げの成果次第だが、下手をすると国内出荷台数は93年以来となる40万台割れとなりそうな勢いだ(ちなみに1-9月で約29万台)。これは期待されていた液晶iMacの販売が伸び悩んだという点が大きい(だからあわててeMacを一般市場に投入してしのいだわけで)。
去年の新iBookの売れ行き状況を見たときにも感じたのだが、既にMacはMacユーザ以外が買わない商品となりつつある。液晶iMacや新iBook、PBG4といった、以前から需要の大きかったモデルですら1四半期で出荷のピークを迎え、後は例年通りの売り上げにとどまる、という状態がここ2年続いている。つまり、もともとそういうマシンを欲しかったMacユーザがワッと飛びついて終わり、という状態が続いている。かつての初代iMac(Rev.A-Dくらい)のような、登場後半年以上経っても伸び続ける、というようなことにはならない。
そういう点では、SWITCH/RealPeopleキャンペーンの(内容はともかく)コンセプトは正解だ。僕が他人にMacを勧めるとしたら、「今までWindowsを使っていて、WindowsでもMacでもできることしかやっていなくて、一通りのことさえできればよく細かい操作性の違い/選択肢の低さは特に気にならず、でもWindowsの操作性が肌にあわない/Windowsに飽きた/Macデザインが気に入っている」人になるからだ。Macが今後も日本でコンシューマPCとして生き残っていくためには、彼らへのアピールが鍵となるだろう。
彼らへのアピールに失敗した場合、日本ではMacのコンシューマ市場が成立しなくなってしまう可能性も否定できない。今ではまだ(Mac版ソフトの利益>移植コスト)が辛うじて成立しているが、それが成立しなくなるほどに実ユーザ数に差がついた場合は、「アップルジャパン解散→本社アジア太平洋部門に統合、プロ部門はキヤノ販あたりに委託」という状態も起こりうる。アップルジャパンにとっては今年は正念場となるだろう。
ま、昔からのMacユーザにとっては、80年代の水準に戻っただけで、さらに本体価格は当時よりずっと安いしソフトも周辺機器も当時に比べれば全然豊富だしで、何一つ困らないんですけどね。
一方、Apple全体としては、いつも通り教育市場を足がかりに個人ユーザを確保、という状態を続けてなんだかんだ言っても黒字確保で安泰でしょう。確実にある程度のシェアが確保できて、個人ユーザへの宣伝にもなる教育市場を確保してるってのはやっぱり大きい。ジョブズが基調講演で語るようなものはハズれるでしょうが。
2003年01月06日(月)
新年早々
サーバのNIC(EtherExpressPro10/100)が死にました。高かったのにー。syslogを見ると、どうも12月の中ごろからおかしかった模様。でもって再起動したら二度とNICを認識しなくなった、と。しょーがないので、連休の最後の日、秋葉まで出かけて買ってきました、EtherExpressを。
ついでに富士通製チップを採用したジャンクNICを2枚確保。VTOWNS用に使えるとうれしい(VTOWNSのTownsモードでの動作が保証されているのは富士通チップを使用したFMV-181~184と188、189のみ)。あと、ATAの8Gの中古HDDを獲得。これをMacにつける。前述の通り、うちのMacはロジックをGazelleに交換してたりしてセットアップがちょっと面倒。以下、備忘録代わりに手順を書いておく。
HDを取り付けたらCodyceps(NuBUS系PPC-Performaのロジックボード)でOS7.6をインストール。
NICのドライバをインストール。
IPとDNSとゲートウェイの設定。
Internet スターターキットをインストール。
スターターキットのNetscape3.01JでAppleのサイトに行って、OS7.6.1アップデータとDISK COPY6.33をダウンロード
DISK COPYをインストール。
DISK COPYを使ってOS7.6.1をインストール
ロジックをGazelleに交換
NICの再設定(CodycepsはCS1ポート用のNIC、GazelleはCS2ポート用のNICを使用しているため)
Netscape3.01JでStuffit Expanderのサイトに行って、Stuffit Expander4.5J、5.1J、5.5Jをダウンロード、インストール。
iCabをダウンロード、インストール。(StuffIt Expander5.1J使用)
iCabを使ってATIのサイトに行ってビデオカードのドライバをダウンロード、インストール。
うちの場合、手持ちのOSが7.6でGazelleに対応していないため、CodycepsでOS7.6.1のインストールまで行う必要がある。また、増設したビデオカードのドライバを取りに行くためにATIのサイトに行く必要があるが、MacOS7.6に標準でついてくるNetscape3.01JとCyberdogのどちらもATIのサイトのjavascriptを正確に解釈しないため、ドライバのダウンロードが出来ない。ちなみに、Netscape3.01Jでは Netscapeのサイトでもjavascript errorが起きてNetscape 4.xのダウンロードが出来ない。
そこで、iCabを使うことになるのだが、iCabはOSに標準でついてくるStuffit Expander4.0.2では解凍できない。そこで、アクト・ツーのStuffitサイトに行って新しいExpanderをダウンロードする必要がある。なお、iCabはStuffit Expanderの5.1Jで解凍できるようだ。なぜか5.5Jでは解凍できなかった。
2003年01月16日(木)
Apple、前四半期の収支を発表
800万ドルの赤字か.... 昨期は売れていないのは分かっていたが、Appleもそれを踏まえて出荷を絞るだろうから赤字はないと思っていたのだが。
[午後11時追記]赤字分はリストラ費用によるもののようですね。それを抜くと減益ながらも黒字は確保しているようですね。ってことはまあ予想通りということで。
国内出荷台数は7万1千台。年間(1-12月)では約36万台となり、3年連続の減少。年間40万台を切るのは93年以来となる。iMac登場直前のどん底と呼ばれた時代よりも悪い。
KLEZ[7]が14通ほど来ました
すべて同一ホストから送信されたもののようです。「Reply-to」に僕のメールアドレスが使われており、「To」のアドレスがなくなっていたときに僕のところに送られてくるようになっているみたいです。送り主は、東京近郊で、Niftyで、フレッツADSLっぽいです。
このワーム、FromとToとReply-toをIEのキャッシュから拾っているっぽいです。メールアドレスに共通点があまりない。あえて言うならファンタジー系に興味を持っている人のようですが。
まあ、僕はFreeBSDでしかメールのやり取りはしないので、別にどうでもいいことなのですが。
(2019/10/22追記)Windowsに感染し、最悪Cドライブを破壊するウイルス。2002年5月頃に問題となっていたらしい。詳細はIPAのサイトに。
Gazelle on PM6300
お約束ですが、Linuxをインストールしました。本当はNetBSDにしたかったんだけど、BSDかMacOSのどっちかはOpenFirmware(メニューのないGRUBみたいなもの、MacのROMに入っている)経由で起動しなければならないのと、NetBSDのインストーラが完全にHFSボリュームを無視する(下手に入れるとMacOSの入ったボリュームが破壊される可能性が)ので面倒くさくなって断念。MacOS使わなきゃNetBSDでいいんだけどね....
次に、FreeBSD風のパッケージングシステムを持つGentoo Linuxをテスト。インストールできないので断念。
続いて、Vine Linuxをインストール。kernel 2.2ベースで動作。どうもGazelleはkernel2.4ベースではうまく動かない模様。
WindowMakerが重い、っていう環境は結構カルチャーショック(笑)。BlackBoxはさすがに軽いけど、1ボタンマウスじゃ使いづらい。軽くて、1ボタンで使えるものというと....twmとか? うーんそれはさすがに。fvwmはapt-getに失敗するし(rpm4が要るとか言われた)、qvwmやIcewmはaptでは入れられないみたいだし。Iceのsrpm、転がってないみたいだし。
Iceやfvwmをソースからビルドするか、思い切ってADBの2ボタンマウス買っちゃうか(サンワサプライの通販で買える)、悩むところ。
2003年01月19日(日)
Linux FlashPlayer 6 を入れてみる
まだ当分FreeBSD用のwrapperが出そうにないので、とりあえずLinux-Mozillaに入れてみる。 Macromediaサイト からLinux用のバイナリを取ってきて tar zxvf。インストーラがLinuxをハネるので、インストーラのスクリプトを読んでファイルをコピー。
とりあえずLinux-Mozillaを起動。日本語の表示は、 アイ・オー・データ機器 、音声と画像の同期は、 メカゴノレゴの逆襲 がチェックしやすい。で、確認したところ、日本語は表示されず、音声もまだ同期しない。
たしか2ちゃんねるのLinux板の Flashスレ に対策が載っていた気がするので確認。MSG21
フォントの検索パスは、XF86Configではなく、/etc/X11/fs/configの中にある catalogueという変数で決まるらしい。catalogueの最初にkochi-gothic.ttfと kochi-mincho.ttfのあるディレクトリを加えてやったら、今まで表示されなかった 日本語が表示された。 表示されたフォントがでか過ぎるFlashもあったけど、まあ良しとしよう。 ちなみに、TTCapは効かないので、fonts.dir中にTTCap無しのkochi-gothic.ttf の設定が無いと表示されません。
FreeBSDの場合は/usr/X11R6/lib/X11/fs/configの模様なのでとりあえず修正。
続・Linux FlashPlayer 6 を入れてみる
で、再表示させてみたところバッチリ表示。よっしゃ。
続いて音声同期の改善を。同じく2ちゃんねるのLinux板の Flashスレ から。MSG85
http://www.macromedia.com/support/flash/ts/documents/linux_player_readme.htm ここにのってるOptimal X server configurration 試したら、音と映像のずれ直ったよ
MSG86
>>86 >85じゃないけど、Subsection "Display"に、weight 8 8 8 とか書けばいいんじゃない? Depthが16なら、5 6 5にすれば良いと思うんだけど。 試してみたけど上手くいかなかったから、違うかもしれないけど。
MSG89
>>88 特に何を考えたわけでもないんだけど、Depth 24だから1ピクセルあたり24bit。 各マスクを2進数に直してみると、 Red: 1111 1111 0000 0000 0000 0000 Green: 0000 0000 1111 1111 0000 0000 Blue: 0000 0000 0000 0000 1111 1111 で、8bitずつなので、8 8 8とか。(4bitで、16進数の1桁にあたる。) Depth 16の場合は16bitで、readme.txtの値から、 Red: 1111 1000 0000 0000 Green: 0000 0111 1110 0000 Blue: 0000 0000 0001 1111 となるので、5 6 5。 分かりにくい説明で申し訳ないけど、こんなんじゃダメ?
なるほど。で、weightって何? ということで、 XF86Configのマニュアル を参照。ふむふむ。うちは24ビットなので、
SubSection "Display" Depth 24 Modes "1280x1024" Weight 8 8 8 EndSubSection
とすればよいのか。ってことで修正後、X11を再起動、っと。
Linux FlashPlayer 6 を入れてみる・完結編
同期ずれだけは直らない。残念。