ダン・ミース氏ネタがまだ有効とは

要するに「秋葉前市長が建築家のダン・ミース氏に利益供与するために不正工作(官製談合)を行なった」という話なんだけど、2007年の時点で「シロ」という結論がでた話だと思っていた。しかし今月旧市民球場ネタを探していたら、今年になってもこのネタが生きていることにびっくりした。例えば田辺一球氏のサイトの2011年3月31日付けのコラム [archive]。今年ですよ今年。

で、例によって平野博昭市議が2010年4月7日にネタにしていた[archive]。何でも、平野市議と同じ会派の児玉光禎市議が「検証・広島市民球場建設の経緯」なる本を出版し、さらに市議会で色々発言していたとのこと。こんな面白いネタを放置していたとは、私はヲチャ失格ですな。

で、「検証・広島市民球場建設の経緯」だが、残念ながら非売品の模様。疑惑があると確信しているのならPDFにしてネットにアップすればいいのに、と思ったり。ということで、まず上記の平野氏のサイトに載っているまえがきとあとがきを検証。

その後、ダン・ミース氏が所属したナデル設計のホームページに完成予想図であるパースが発表されました。広島新球場設計提案競技において当選した作品が、ダン・ミース氏が設計した作品の完成予想図であるパースと全く同じであることがわかりました。

いや、ダン・ミース氏は設計協力者の一人としてクレジットされており、実態に設計の一部を担当しているわけで、「コンペ終了後に」コンペ提出案を自社サイトに掲載しただけでしょ。nadel社のサイトに掲載されたのがコンペ募集よりずっと前、ということなら話は別だけど。ちなみに、「ダン・ミース氏はnadel社に所属」ていうネタを日本語で最初に言ったのは多分私のブログで、平野市議は多分うちのブログの内容を受けてnadel社ネタを書いているので、児玉市議がコンペ募集以前にnadel社のサイトを見ていたとは思えない。なお、nadel社のサイトはずいぶん前からflash化されており、ミース氏がnadelに加わった直後の2005年にコンペ案相当の画像があったかどうかは、Web Archiveでも検証できなかった。(しかし、向こうの建築家って奴はどうしてこうflashが好きなのだろう)

また、当選作品の延べ床面積は、55,010平方メートルであると広島市の広報紙「市民と市政」やホームページで公表されました。ところが、実際に工事を発注するときの延べ床面積は39,282平方メートルでした。著名な池原義郎委員長をはじめとする選考委員がおられるのに、このような面積の喰い違いは、市民からみると納得できない話です。

いや、コンペ時点では55,100平方メートルだったのが、基本設計・実施設計を経て市の(主に予算面での)チェックが入りまくって削られただけでしょ。別におかしくも何ともない。

つづいてあとがき。

もし仮に、今回の一連の計画とコンペを裏工作なくきちんと公明正大にやったとしても、やっぱり今の新球場と同じ場所に同じ形状のものが出来ていたかもしれません。もしかするとそれ以下だったかもしれません。しかしそれ以上であった可能性も十分にあったということです。

ありません(キッパリ)。「どういうスタジアムを作るべきか」という点を2000年末から5年以上研究してきた「広島東洋カープ」が関与しているチームが通るのは必然です。ぶっちゃけ、「経験値が一桁違うグループが一つだけある」という状態だったわけですから。どう足掻いたとしてもコンペはカープ案が通るようになっていたのですよ、実際のところ。エンティアムだってそうでしょ。

そういう意味じゃ3回やったコンペはすべて茶番。でもその茶番はある意味必要悪だったんだよね。新球場の場合、「設計は主テナントであるカープに一任し、市は予算面のチェックのみ行なう」ってのが正解だったわけだが、市がそういう提案をしたとして議会はそれを通してくれたと思う? 当時の(いや現在でも)議会の状況からすると、くだらないいちゃもんつけに終始してぐだぐだになっていたと思う。それゆえに「一応コンペやって、一番良い案が選ばれました」という手間をかけざるを得なかったというのが実状だろう。

次に児玉市議の議会での発言をピックアップしてみよう。まず平成21年第1回2月定例会-02月19日-02号というやつ。

それで,この絵は,広島市から2001年に仕事をもらって,こういう設計をしましたということが,これはホームページに出ておる。しかもそれは,アメリカで売られておる本の中に出ておる。広島ボールパークいうて出とる。これは2001年,チームエンティアムがやってパアになった,あのときの絵ですよ,これは。それを今の環境デザイン研究所が,それをそのまま踏襲しておる。それは,銭で買うたか,あるいは話し合いでそれは使うてもいいですよと言うたか知りませんけど,全く選考した意味ない,これは同じだから。それを国際コンペだと何だのかんだのいうて狂態なことを言うて,見てみんさいよ,これはアメリカで売られてるんよ,これは。

アメリカの本って、SPECTATORのことですよね。この本に載ってる球場案と、エンティアム案と、環境デザイン研究所案って完全に別物だと思いますが。それにエンティアムって2003年の話ですよね。

うん、きっと児玉市議は「コンペ当選案が2001年からある」と勘違いしている(あるいは、検証されないと思って適当なことを言っている)。残念ながら、平野市議が書いてる内容と大差なく、注目すべき新事実はなかった。多分、児玉市議の本の内容も平野市議のサイトの内容とほぼ同じじゃないかな。

しかし、このレベルのネタを今更蒸し返すとか、対応した市職員の人とか秋葉市長(当時)も苦笑せざるを得なかっただろうと考えると胸が熱くなる。

コメント(0)



Note

本サイトのハイパーリンクの一部は、オリジナルのサイトが閉鎖してしまったため"Internet archive Wayback Machine"へのリンクとなっています。そのようなリンクにはアイコン[archive]を付与しています。

本サイトはCookieを使用しています。本サイトにおけるCookieは以下の三種類のみであり、Cookieの内容に基づいてサイトの表示を変更する以外の用途には用いておりません。