【専スタ@広島】40000人級スタジアムを作れる土地が必要(或いは市民球場跡地はスタジアム用地に不向き)、という意味
- 公開日: 2012/10/06(土) 11:48[JST]
(11/3)追記。検証したら何とか40000人級もできそうだったのでこの記事の結論は撤回。
なんか説明不足だったっぽいんで補足してみる。以前ここで書いたことのおさらいになるんだけど。
公設で(それなりに行政から資金を投入して)「主にプロが使うことを事実上の目的とした」スタジアムを作る場合、ある程度長期間使い続けるってのが前提になると思うんだ。利用期間が短ければスタジアムによる経済効果なんかもたかがしれたものになるし、クラブから入る使用料やネーミングライツ収入だって少なくなる。totoだって10年そこらしか使わないスタにお金を出してくれるとは思えない。短期間でよそに移転してしまうようなら、行政がお金を出してまでスタジアムを作る意義が無い。
で、何年以上使えばいいかというと、大体30年くらいじゃないだろうか。てのは、マツダスタジアムだと30年満期の市債発行でまかなっているから。30年使えば収支とんとん、ってのが市の考えかと。
で、サッカースタジアム。もちろん、いきなり40000人級スタジアムを作る必要は無く、当面は25000人級で十分。でも、このキャパじゃいずれ足りなくなる。特に市民球場跡地みたいな一等地に建てちゃった場合、できてから10年もしないうちに「ぜんぜん足りねーよ」っていう状態になりかね無い。クラブにとってみれば、より多くの売上をあげる機会の損失、ってことになる。だから、当面は20000人級でも、あとで拡張できるだけの余地は絶対必要だと思うんだ。
で、どこまで拡張できればいいかっていうと、マツダスタジアムよりもワンクラス多く、且つA代表戦の(定期的な)利用が見込める40000人級ってのが一つの目処だろう。月10日やるプロ野球よりも月2~3回しかやらないサッカーの方が一試合あたりの価値が高いわけで、長い目でみれば一試合あたりの動員数ならフットボール>ベースボールとなるのが自然。(サッカーじゃなくアメフトの話だけど)アメリカの場合、人口10万のグリーンベイは例外中の例外としても、インディアナポリス、ジャクソンビル、ナッシュビル、シャーロット、ニューオーリンズ、バッファローといった市場規模が小さくてMLBが来れない地域がNFLのフランチャイズ(全て60000人オーバーのスタジアムあり)になっていたりする。AAA級のスタジアムだとせいぜい20000人なので、これらの地域ではフットボールのスタジアムがベースボールの3倍以上のキャパになっていたりするのだ。
さて、市民球場跡地。ここは、あまり土地が広くない。地下構造物(「旧市民球場跡地にかかる現行の制約条件」を参照)がちょうど旧市民球場を囲むように配置されており、これを避けるようにスタジアムを作った場合、おそらく敷地面積として25000平方メートルほどしか確保できない。グラウンド面積が(芝生のないところを含めて)10000平方メートル程度なので、建築面積は最大15000平方メートル。ちなみに18000人収容のフクダ電子アリーナの建築面積は16000平方メートルである。
もっとも、調べたところ、旧市民球場レフト側の地下構造物についてはなんとかなるかもしれない。これが何か気になっていたのだが、広島サッカー専用スタジアム構想委員会さんのところにヒントがあった。ここと、現球場周辺の都市施設の状況について(広島市資料)から、ここの地下構造物は「基町ポンプ場から隣の川に排水をするための水路」であると推定される。てことで、商工会議所ビルを全て解体できるなら迂回水路を敷設することも可能だろう(お金かかるけど)。旧市民球場跡地+PL教会+護国神社跡地+青少年センター+αで200×150メートル程度はとれそうだ。普通に建てて25000人級ってところ(座席間隔はきっちりとっておくべきだと思う)。ただし、これにさらに高さ制限が加わる。こっちは原爆ドームと平和公園がある限りなくなることは無い。
てことで、旧市民球場跡地の場合、結局高さ制限がネックになって、20000人級からの上積みが困難だと思うし、それをクリアできたとしても「ちゃんとしたスタジアムを作ろうとすれば」25000人級が上限。言い換えれば、市民球場跡地をスタジアム用地として選択した場合、30年は20000人級(或いは詰め込んで25000人級)で我慢しましょう、ってことになる。もちろんその間にWC日本開催があっても見送り。それくらいなら他に適切な立地があればそっちを狙うべき、と思うわけなんだ。